日大学長がアメフト部の騒動受け会見 渦中の選手に「学校としてサポートできず申し訳ない」と謝罪
田中英壽理事長ではなく学長が会見を開いた理由については、「学長が学生の運動部の統括をしているため。内田前監督はその事務局にいるため、責任者として会見を開いた」と説明。理事長が会見を開く予定は今の所ないという。
このタイミングで会見を開いたのは、5月24日のアメフト部父母会の会見を受けてだという。
「父母会の会見はニュースで知った。こういうことが行われているのであれば、こちらも何かすべきではないかと急遽考えた。事案の内容についてコメントはできないが、私が会見すべきだと思った」
一連の騒動では、日大側の対応の遅さが問題視されている。これについては、「部長と監督への質問状という形で来たので、部と部の文書のやりとりに任せてしまった」ためだと言う。報道陣から、被害届が出た時点で学長としてなんらかのコメントが出来たのではないか、と質問が飛ぶと、
「グランドの件を社会問題として、警察で処理してもらうという発想を、私が持っていなかった。関東連盟でも聞き取りをやっていたので、学校として何かを出すということが思い浮かばなかった」
と語った。
選手と監督のコミュニケーションの乖離が一因との姿勢崩さず
日大はこれまで、監督が反則行為をするよう指示した事実はなく、選手と監督のコミュニケーション不足が原因だったと説明している。学長も、基本的な認識は変えなかった。前監督の指導の是非に関しては、
「選手のパフォーマンスなども考えないと答えられないと思う。過剰に感じている選手に聞けば『辛い』になるし、向上心がある選手なら『そういう刺激が欲しい』ということにもなると思う。一概に片付けられないと思う」
と話した。
渦中の学生は5月22日、弁護士同席の上で会見を開いている。学生に一人で会見させたことについては、
「こういう局面になってしまったのは辛かっただろうし、学校としてサポートできなかったのは申し訳なかったと思う」
と胸中を語った。
学長としての進退は「問題解決後に考える。今は再発防止に注力する」
日大の一連の対応については、内田前監督やコーチが開いた会見での、司会者の対応も問題視されている。会見の打ち切り方や記者への対応については
「番組ごとにクルーが分かれ、自分の番組の関係者が質問をしているという絵を撮りたいということにイラッとしたようだ」
「ご指摘があるように、マスコミ側からすればまったく無責任だと思う。態度としては良くなかったと思うが、同じ質問を繰り返していることへのいらだちや内田の体調を気遣った面もあり、あのような態度が出てしまったのかなと感じている」
と釈明。学長の今後の進退については、「解決した後に考えなければならないが、現時点では危機管理などを整備して、部活動で再発しないようするのが役目だと思う」と述べた。