世界の理想的な働き方1位はブラジル「バケーション休暇」 30日連続で有休取得
諸外国には、日本にはない様々な働き方がある。オンラインの総合旅行サービス「エアトリ」が10~70代の男女849人を対象に理想の働き方を聞いたところ、ブラジルの「バケーション休暇」が14.3%で最も多かった。
バケーション休暇は、1年のうちに30日連続で有給休暇を取得できるというものだ。日本では5日前後の夏季休暇が一般的で、長期の旅行などには行きづらい。まとまった休みを取りたいと感じている人が多いのだろう。
しかし実際に日本でも取り入れられると考える人は8.2%に留まった。ブラジルやフランスと違い、日本には長期間休む文化がないため、実現は難しいのかもしれない。
オランダの「時間貯蓄制度」も約14%が理想と回答
バケーション休暇以外にも様々な制度や働き方が諸外国にはある。ドイツでは1日10時間を超えて働くことが法律で禁止されている。ベトナムでは複数の仕事を掛け持ちすることが普通だ。日本でも近年、副業やダブルワークをする人が増えているがまだまだ少数派に留まっている。
また、調査元によると、タイでは社会全体で子育てを担うという風潮があり、子連れ出社も珍しくないという。イギリスでは1日の労働時間を延ばす代わりに週の労働日数を少なくできる「圧縮労働時間制」もある。他にも、スウェーデンには「親休暇法」があり、子供が8歳になるか基礎学校の第1学年を終了するまでに合計480日間休むことができる。
こうした制度のうち、今回の調査で「バケーション休暇」に次いで人気だったのがオランダで実施されている「時間貯蓄制度」だ。残業や休日出勤などの労働時間を貯蓄し、有給休暇などに振り替えることができる制度で、13.6%の人が理想と答えた。
同制度を理想と答えた50代男性からは「時間外労働は忙しいときはどうしても避けられない」という意見が寄せられた。残業は避けられないが、その分仕事が少ないときに休みたいということだろう。
バケーション休暇と異なり、実際に導入できそうだと考える人も12.9%いる。すでに振替休日や代休といった制度が整った企業もあり、普及が進めば実現に近づきそうだ。
「国でしっかり固めて、下々にも良い環境で働けるようにして欲しい」
日本が働き方改革を成功させるために必要なこととしては「政府からの強制力」が39%で最も多かった。30代の女性からは、
「都会にある企業は働き方改革や休暇など、変化が直ぐにみえるかもしれないが、僻地にある小さな会社や(中略)少人数で会社を回せと追い立てられている会社の下々には、全く御縁が無い話だと思う。どうせやるなら、逃げ道も作らないで、国でしっかり固めて、下々にも良い環境で働けるようにして欲しい」
という声が寄せられていた。競争力のある大手企業以外では、働き方改革がなかなか進まないのが実情だ。政府が一律で規制しないと改善しないと感じているのだろう。
「政府からの強制力」以外には「職場(企業)の自主性」(30.5%)と答えた人も多かった。企業の自主性に期待する人からは、「現場が望まないことを強制する施策や国・政府の押し付けで行う施策では意味がないと思う」(30代男性)といった意見が出ている。