既婚女性の4割、子どもが中学生になったら正社員フルタイムで働きたい しかし実現できている人は2割のみ
女性が離職を選ぶ背景には、家事育児の負担の大きさがある。夫婦が正社員共働きの場合、理想とする「夫が担当する家事・子育ての割合」は、男女ともに「5割」が最も多く、平均が4割だった。
実際の夫の負担具合を見ると、夫側は平均で「3.4割分は負担している」と思っているのに対して、妻は「2.5割分しかやっていない」と回答。夫婦間で認識にギャップがある。夫婦における家事育児の負担は、妻の雇用形態が非正社員、専業主婦になるにつれて大きくなる。これでは「子育てしながら働くのは大変」と感じ、仕事を続けることに消極的なるのは無理もない。
妊娠や出産で心身の変化を経験する女性は、状況に応じて柔軟な働き方をしたいという気持ちが強い。未婚者・既婚者を問わず、「正社員でフルタイム勤務」をしたいと思う時期は「結婚から第1子出産まで」が5~6割と一番多い。末子が未就園児の時期には「専業主婦」の希望者が多く、中学生以降になると「正社員でフルタイム勤務をしたい」と思う女性が増える。
勤務先には「勤務時間や日数に融通をきかせてほしい」
子どもがいる既婚者に「両立のために既婚者が望む勤務先等への制度」を聞くと、女性は「子育てのための勤務時間・勤務日数の短縮措置等」(53.2%)や「保育料補助等の支給・増額」(33.1%)、男性は、「扶養手当等の支給」(35.3%)や「保育料補助等の支給・増額」(31.3%)という回答が上位に挙がる。女性は「働く時間の融通」、男性は「金銭的な援助」を求める人が多い。
また育児中は保育園送迎や、子どもの急病などで定時勤務が難しいケースがある。そのため、仕事と育児の両立には制度の充実だけでなく、職場のサポートも欠かせない。「理解や協力をしてくれる人は誰か」を聞くと、「子育て経験のある上司や同僚」という回答が一番多い。自分の子育て体験から、「持ちつ持たれつ」の考えが強いためだと思われる。