五輪中の混雑予想マップ公開 都心の一部路線で朝5時から「圧迫感があり、鞄から物を出せない」状態
高速道路と一般道路は、大会開催時の道路交通の状況についてシミュレーションした。大会関係者の車両による影響を所要時間の変化としてまとめた。鉄道は、大会時の一般利用者や観客・大会スタッフの鉄道利用状況に関する需要推計・分析を行い、その影響をまとめている。
キャリコネニュースでは、多くの人が通勤・通学で利用する鉄道の、7月31日の予想マップに注目した。資料によると、「かなり混雑」は「圧迫感があり、スマートフォン等の操作は何とか可能だが、鞄から物を取り出すことは難しい状況(及びそれを超える程度の混雑状況)」で、「やや混雑」は「周囲に多くの人がいるが、読書やスマートフォン操作等は可能な状況」を指す。
朝5時から7時までの間、JR川越線川越駅から笠幡駅方面に向かって「かなり混雑」が予想されている。これは、笠幡駅近隣にあるゴルフ場が、ゴルフ競技の会場となっていて、当日は男子ゴルフの競技が行われているためと見られる。同程度の混雑は、10時まで続くと予想されている。
7時台に入ると、競技会場が集中する豊洲・台場方面への観客らの移動と、都心への通勤ラッシュが重なる。この時間帯に「かなり混雑」が予想されているのは、前述の川越線に加え、総武線の中野駅から大久保駅までの区間、押上付近から、ボクシングが行われる国技館のある両国方面に向かう区間、武蔵野線の西船橋から新浦安を経由し、水泳が行われるオリンピックアクアティクスセンターのある新木場駅までの区間、銀座線の渋谷駅から外苑前駅の区間などだった。
8時台になると、山手線の池袋駅から代々木駅の区間、京浜東北線の川崎駅から蒲田駅などが増えるほか、りんかい線の大井町から新木場方面、東京モノレールの浜松町駅から大井競馬場駅方面、ゆりかもめの豊洲駅から市場前駅方面など、臨海部の路線混雑が目立った。
鉄道業者「朝のピーク時間帯の増発の余地少ない」
東京都オリンピックパラリンピック準備局・交通輸送技術検討会の資料によると、都は、輸送力の確保や観客の需要分散・平準化、一般利用者の需要分散を行い、「現状と同様の安全で円滑な運行状況を目指す」としている。150%を超える区間では、臨時で本数を増やせないか調整しているというが、鉄道業者からは「朝のピーク時間帯はダイヤ、車両、要員を既に最大限活用しており増発の余地は少ない」という声が出ているという。
また、会場周辺や池袋、渋谷など16エリアを交通量抑制の重点取り組み地区に指定。周辺企業を対象に、今後、セミナーや相談会を開催し、対応策策定を支援する方針だ。