『けもなれ』病みガッキーの鼻歌が狂気過ぎる 精神崩壊寸前なのにニコニコしながら「幸せなら手を叩こう」
ECサイト制作会社で働く晶は、全方位に気を使いすぎてしまうタイプだ。不満を抱きながらも、パワハラ上司のもと、秘書業務から後輩指導、取引先へのプレゼンの代理や身代わり謝罪の土下座までする、かなりのブラック企業に身を置いている。
恋人である京谷(演:田中圭)は無職になった元カノ・朱里(演:黒木華)を家に居候させ続けている上に、呉羽(演:菊地凛子)と一夜を共にしてしまう。京谷自身、罪悪感があり晶に謝るものの、朱里のことも呉羽のことも、優柔不断で煮え切らない。
晶は京谷の元カノ・朱里と遂に対面し「ここを出ていくつもりありますか?」と冷静に問いかけるが、朱里からは
「幸せでキラキラしてる人は違うね~いつまでも無職で何もしない私とは違うよね」
「あなたが持ってる色んなもの、私持ってない。あんたみたいな人大嫌い!」
と、感情的にあたられてしまうのだった。仕事でも私生活でも平穏とは程遠い状態だ。
ドラマではこうした晶の状況が描写された後、数分にわたって晶の鼻歌で「幸せなら手を叩こう」が流れた。歌が流れている間、晶は社長からの怒号が飛んできてもニコニコと仕事を遂行する。同僚らは「深海さん、ずっとうた歌ってるんですよ。ちっちゃい声で」と、心配すると同時に恐怖を感じているようだった。「幸せなら手を叩こう」は、合いの手で手を叩く手遊び歌だ。日常シーンの合間に繰り返し挟まれる手を叩く描写も、気味の悪さを増幅させていた。
「誰だよ演出した奴……一生『幸せなら手をたたこう』聞けねぇわ…」
ツイッターではこの演出に、
「幸せなら手をたたこう怖かった」
「心臓がやっっばい…誰だよ演出した奴……いっっっ生幸せなら手をたたこう聞けねぇわ…ものすごいトラウマ負わせたんだぞ」
「たぶん今晩からふとした時に『幸せなら手をたたこう(ぱんぱん)』が脳内再生されて世にも奇妙な物語並みにぞっとする。間違いない」
と慄く声が相次いだ。また、
「晶さんめちゃくちゃ病んでますけど大丈夫ですか」
「『幸せなら手をたたこう』の歌を口ずさむ晶が、まるで『自分は大丈夫』と言い聞かせているようにも見えた。本当に大丈夫な人は、自分に『大丈夫』なんて言い聞かせる必要はないんだよ」
と心配する人も少なくはない。
出演者の松田龍平さんつながりで、松田さんが主演を務めた映画『青い春』を想起する人もいた。同映画では、学校の壁に「しあわせなら手をたたこう」と落書きされており、屋上の柵の向こうに立ち、手を離した間に何度手を叩けるかという度胸試しゲームがある。
オマージュではないかという見方もあったが、「あれ(編注:映画)はあれで怖かったけど、けもなれはホラー過ぎだよ」と肝胆を寒からしめたという声も寄せられた。