退職時の引き止め、悪質なケースも 「退職届を受け取らない」「退職時期を度々延長」「後任を自ら採用するよう求められる」
「引きとめにあう確率が高いのは、どのような場合か」を聞くと、1位は「後任が不在の場合」(58%)、2位は「進捗中のプロジェクトに関わっている人物の場合」(49%)、3位は「役職者の場合」(34%)という結果だった。
引きとめの手段については、「後任が見つかるまでなど、時期の引き延ばし」(59%)が最多で、以降「年収アップが提示される」(55%)、「経営層や上司などからの期待や説得」(45%)だった。
「引きとめられて、どのくらいのミドルが転職を思いとどまるか」については、「3割未満」と答えたコンサルタントが8割を超えた。引き止められて退職の意向を翻す人は多くないようだ。
「悪質な引きとめ(ハラスメント)に遭遇したことはあるか」を聞くと、「ある」と回答したコンサルタントが4割だった。
悪質な引きとめの事例として、「退職届を受け取らないなど手続きを進めない」(67%)が最も多く、次いで、「退職時期を度々延長させられる」(61%)、「上司や上位役職者による恫喝」(45%)という結果だった。「後任を退職者自らで採用するよう求められる」も20%、「転職先企業に連絡される」も6%いた。
悪質な引きとめに対する対処法として、転職コンサルタントからは
「人事に直接、退職届を持参する」
「どんなことを言われても、『次の企業が決まっており、サインを済ませているので応じられない』ときっぱりと伝える」
「労働局への相談なども辞さない姿勢を見せる」
「弁護士や社労士へ相談し、見解を人事部に書面で伝える」
「実例として、退職届を破棄され、内容証明を取った簡易書留で、再度退職届を郵送するも、受け取り拒否をされた方がいました。その後、労働監督署に相談し、やっと退職を承諾されました。悪質な場合は、速やかに公的機関に相談するべき」
といったアドバイスが寄せられた。