「リモートワークやってたら鬱っぽくなった」に共感相次ぐ 「一人暮らしだと病む」「人と会うのも定期的に入れないとまじで死ぬ」
自宅で「リモートワーク」する人が増えている。人と接するのが苦手、通勤が大変といった人にはありがたいシステムだが、良いことばかりではない。はてな匿名ダイアリーに12月下旬、「リモートワークやってたら鬱っぽくなった」と辛さを訴える投稿があった。
現在、ある会社でリモートワーク勤務している投稿者は、初めは”通勤もなく、やり取りはビジネスチャットアプリSlackで完結、ミーティングはオンラインで済む”と喜んでいたのだが、「気づかない間に少しずつ精神が蝕まれていたみたいだ」と、不穏な言葉をつぶやいていた。(文:okei)
どんどん体が重くなり、ついに仕事のチャットも開けなくなってしまった投稿者
投稿者は、「テキストだけ、仕事だけ」のやり取りに、冷たさを感じている。勤務形態が特殊で、上司やマネジメントをする人がおらず、限られた数人の人たちとしか関わらない。相手が見えないため遠慮してしまうし、雑談や愚痴を言うことはおろか、いつしか「相談する相手が誰もいない」と気づいてしまった。
なぜかケアレスミスが増え、時折あるオンラインミーティングでは暗い表情に。不安感に苛まれて「感情コントロールが難しくなってしまった」と嘆く投稿者は、やがて、
「どんどん頭と体が重くなって、ついに Slack を開けなくなった。パソコンを触ることすら怖くなってしまった」
という状況にまで追い込まれてしまった。
これに対してブックマークは700以上つき、注目を集めた。とくに多かったのが、「わかる」と共感する声だ。企業に勤めており週に数回という人もいれば、リモートワーク専門で9年とか、フリーランスで似たような環境だという人も目立った。
「分かる。リモートワークは特に一人暮らしだと精神を蝕みやすいと感じる」
「わかる。私はそれでリモート辞めた(中略)リモートはオフで会うのも定期的に入れないとまじで死ぬ」
フリーランスで1人作業ばかりしていたらおかしくなったので、「人のいる職場を間借りして、治りました」という人も。人間関係が嫌で、望んで1人で仕事をしていたとしても、人間はどこかで利害関係とは別の「つながり」を求めがちになるようだ。「コレがあるから週一は出社させてコミュニケーションすること自体が目的みたいなミーティングを開くような会社もあるね」とのコメントにも納得である。
今どきはよくある悩み 一人で抱えず遠慮なく話すべし
一方で、「人と話すと鬱じゃなくなるという感覚、理解できない」といった声も、少数だが出ていた。人によって、ストレスになる要因は様々だ。
先日、テレビで爆笑問題の太田光さんが「コミュニケーションが一番苦手。どこにいっても浮いちゃう」と冗談めかして言っており、筆者は共感してしまった。筆者もずっと自宅で仕事をしており、毎日大勢の人がいるところに通勤しなくて良いのは本当に楽で助かっている。
とはいえ、投稿者の悩みもよく分かる。筆者は、取引先と会ったことはおろか電話ですら話したことがないのもザラで、それはそれでラクなのだが、テキストだけのもどかしさや疎外感のようなものはよく感じてしまうのだ。それでも、家族がいるので雑談はできるし、仕事の愚痴や失敗談を友人に漏らすこともある。
悪いことに、この投稿者は社外で話せる友人はたくさんいるものの、周囲にそれを話すことはないという。「仕事に関係ない人に愚痴っても何の解決にもならない」という考えからだ。
だが、言葉にするだけでも自分の感情が整理できるし、友人だって鬱になられるより打ち明けてくれたほうが嬉しいだろう。コメントには、経験談や励ましも多数入っている。つまり、今どきは意外とよくある悩みなのだから、遠慮なく話してもらいたい。
リモートワークは働き方改革で推奨されていることもあり、今後も増加していくことだろう。ただ、周囲の人が気にかけたり、本人が意識的にコミュニケーションを図る、環境を変えるなどして、メンタルヘルスを整える必要がありそうだ。