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「児童相談所の数、日本はドイツの4分の1」 駒崎弘樹氏が児童虐待防止のために今すべきことを語る

「児童相談所の数、日本はドイツの4分の1」

「児童相談所の数、日本はドイツの4分の1」

千葉県野田市で起きた女児虐待死事件が、ここ数週間メディアで取り上げられている。ただ、その内容の多くは学校や児童相談所の対応の誤り批判するものばかりで、今後どうすれば子供の安全が保証されるのかについての具体的な議論は少ない。

そうした中、2月15日の『モーニングCROSS』(MX系)では、認定NPO法人フローレンスで代表理事を務める駒崎弘樹氏が、子供達を虐待から守るために政府が今すべきことについて語った。(文:石川祐介)

児童相談所だけでなくケースワーカーも少ない「だからミスが起きる」

駒崎氏は「今回は児相の不手際が責められています。確かに、児相はミスをたくさん犯しました。ただ、ミスを犯す環境がある」と話し、日本と海外の児童相談所の設置数について解説する。

「児相って日本全国に212か所だけなんです。これを1億2000万人で割ると60万人に1ヶ所なんです。アメリカのロサンゼルスの場合、1支所当たりの人口は約51万人。イギリスに37万人に1か所。ドイツは16万人に1か所」

日本は海外と比較して児童相談所の数が圧倒的に少なく、人口比でドイツの4分の1しかない。さらに、各児童相談所に勤めるケースワーカーの数も少ない。

「(ケースワーカーは)1人当たり100ケースを抱えている。諸外国だと20ケース持ってたら『頑張ってるね』ってなるところを、その5倍、6倍持っている状況。だから、1つのケースを丁寧に見れずにミスが起きる」

ケースワーカーが処理できるキャパを圧倒的に超えてしまっている。そのため、対応が雑になってしまい、ミスが誘発されやすくなっていると話した。

中核市に児童相談所設置を義務化すべき

児童相談所は市区町村ではなく県に設置されている。今回事件が起きた野田市は柏児童相談所の管轄になる。ただ、柏児童相談所は野田市だけでなく、柏市、松戸市、流山市、我孫子市も管轄しており、5市の総人口は135.6万人にも上る。

「さっき60万人に1箇所って言いましたけど、あくまで平均です。局所的に見ればこうなっている」

さらに、児童相談所の設置を自治体に義務付けることが重要だと指摘した。

「児相を増やそうという動きはあるんですけど、中核市(人口20万人以上の市)は児相の設置は義務化されていないんです。中核市の中で、児相を作った・作ろうという市は(全国54市の中で)4か所にすぎない」

「だから、一刻も早く中核市に児相を設置することを義務化する必要がある。今、改正児童福祉法が国会に提出されるんですけど、中核市の児相の義務化がまだ入ってないから、早く入れなきゃいけない」

まずは中核市に児童相談所の設置を義務化し、数を増やしていくことを議論しないと、今回のような凄惨な事件は繰り返されるだろうと警鐘を鳴らした。

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