漫画によると、桜田氏は千葉県柏市の農家の生まれ。天候不順で不作でも、農作物がせりで安く買い叩かれる様子を見て「将来は自分で自由にモノを作り自由に値がつけられる仕事につきたい」と思うようになった。
大学入試に失敗した後、アルバイトで大工の仕事を始める。2年働き、周囲のすすめで明治大学の夜間部に入学した。25歳で建設会社を立ち上げ、30歳で柏青年会議所に入所。33歳で理事長になった。
その後、1987年に柏市議会議員、1995年に県議会議員、1996年に衆院選に当選するのだが、出馬を決めた背景として語られているのは
「成功している人たちとのつき合いが増え 彼らの家を直接手がけているうちに だんだんと自分もこの人たちと付き合うにふさわしい 大きな人間にならなくてはと思うようになりました」
「もっと上のステージに行きたい」
という台詞のみ。最後まで読んでも、解決したい課題や実現したい社会像、問題意識などは描かれていなかった。
森喜朗を「善郎」と誤植「自分のボスの名前を間違える時点でもうダメ」
ネットでは漫画を読んだ人から「ただ成り上がりたい、という気持ちだけがわかった」「欲望に忠実」という感想が出ている。評論家の荻上チキさんもツイッターで、
「これを実現したいから政治家になったという動機が描かれず、『成功しているひとたち』と付き合うにふさわしい人間になるため『もっと上のステージに行こう』とだけ描かれてるの、納得感しかない」
と指摘。千葉商科大学国際教養学部専任講師の常見陽平さんも11日、自身のブログで
「いかにも苦労して成り上がった感動ストーリーのようで、具体的なエピソードに乏しく、政治家のHPによくある、これまでの歩みをイラストで描いたレベルであり、壊滅的に面白くない」
と酷評している。
漫画では自民党の森喜朗氏の名前を「善朗」と誤植している。ネットでは「自分のボスの名前を間違える点でもうダメ」という声も出ていた。
辞任した桜田大臣のサイトに、半生が漫画として掲載されているのだけど……これを実現したいから政治家になったという動機が描かれず、「成功しているひとたち」と付き合うにふさわしい人間になるため「もっと上のステージに行こう」とだけ描かれてるの、納得感しかない。https://t.co/lSLId4L4YD pic.twitter.com/GJjFGv1Q8K
— 荻上チキ (@torakare) 2019年4月11日