繁華街で”夜回り”を行い、若者の非行防止や更生に取り組んできた水谷さん。ここ数か月のブログには子どもだけでなく、80代の親が50代の引きこもりの子を養う「8050問題」の相談が増えていることなども綴っていた。
7月5日には「十年以上にわたって、整理しながら書こうとしていた本」を書き上げたとブログに投稿した。青少年問題の歴史と背景、解決法をまとめたもので、
「多くの教員や専門家、それどころか親たちや大人たちにとって役に立つ本になると確信しています。十月には、出版できるでしょう」
と意気込んでいた。
8月14日のブログでは「例年になく、相談件数が非常に増えています」といい、特に女子中高生からの相談はどれも「死にたい」といった内容だったという。そんな中で生まれた、本が読まれていないのでは、という思いは精神的に堪えそうだ。今年3月には、数年ぶりに寝込んだといい、
「体調が最悪な中で届く『死にたい』のメール。なかなかきついものです。本当は、『生きたい』のに『死にたい』と書く子どもたちのこころに哀しみを感じました。こころを開き、周りじゅうに寂しさを叫べば、必ず助けが来るのに、過去に引きずられ、そしてこころを閉ざし、死を語る。そこには救いなどないのに」
とも綴っていた。ツイッターでは、夏休みで子どもの相談件数が増加したことで「著書で伝えてきた声は子どもたちに届かず、無力感に苛まれていたのかもしれない。年齢的にゆっくり休んでもいいのでは」という声もあがっている。