大阪府泉佐野市は8月26日、ふるさと納税の新たな制度に関する意識調査の結果を発表した。今年5月にネット上で実施し、泉佐野市直営のふるさと納税サイト「さのちょく」利用者17万4784人から回答を得た。
ふるさと納税で「100億円還元」と称してアマゾンギフト券を配布し、物議を醸した大阪府泉佐野市。報道によると2018年度は寄付総額約498億円でトップとなった。しかし総務省は今年6月から返礼品は地場産品で寄付額の3割以下といったルールを設定し、泉佐野市をふるさと納税から正式に除外した。
ふるさと納税規制が厳格されることについて、「よく知っている」「だいたい知っている」と回答した人は85.5%。返礼品の適切な返礼割合について聞くと、「国や自治体がしっかりと話し合って決めるべき」(50.8%)が最多だが、次いで「5割」(43.4%)となり、総務省が示す「3割以下」は4.7%、「返礼品なし」は1.1%となった。
LCCのピーチポイントは「まちの歴史や発展に密接に関係している」
同市は「総務省が示している『地場産品』基準では、地元事業者であっても小売店や問屋が扱う商品は返礼品として取り扱えないとしています」とし、この規制に対する賛否を聞いた。「賛成しない」の合計は72.9%で、賛成派を大きく上回った。
また、地元の工場で生産されたものであっても、他の地域で生産されたものと区分なく取り扱われる商品は返礼品として取り扱えことを挙げると、これについても「賛成しない」が78.4%だった。
格安航空会社ピーチは、泉佐野市にある関西国際空港を拠点としている。同市は、過去に同航空会社で使用できるピーチポイントを返礼品としていたが、総務省から提供を止めるよう指導が入った。総務省の規制について、
「三重県鳥羽市の真珠、福岡県大川市の家具、泉佐野市のピーチポイントなど、そのまちの歴史や発展に密接に関係している、いわば”まちの誇り”といえるものであっても、一律な条件で返礼品にできない」
とコメント。なお”まちの誇り”を返礼品にできないことについては79.5%が反対している。今年6月施行の新制度で、ふるさと納税に参加したい自治体は事前に総務省に届けた上で、指定を受けることが必要となったが、この指定制度についても反対が58.2%と多数派になった。
寄付したい自治体は「魅力的な返礼品を用意しているところ」が72.5%
同市は新制度について「『返礼割合30%以下規制』『地場産品規制』『経費率50%以下規制』『指定制度』が大きな問題点」とコメント。同市は総務省の規制に対して、納税サイト上で疑問を呈し、「大変驚き、困惑しております」と主張を展開している。この泉佐野市の主張を支持する人は80.1%にのぼった。
一方、返礼の還元率が3割以下になる新制度となってもふるさと納税を利用するという人は65.1%。どんな自治体に寄付をしたいかを聞くと「魅力的な返礼品を用意しているところ」が72.5%にのぼった。