同社は実験の意義についてリリースで、「AIやロボットの発展に伴い、働かなくても良い人が将来的に現れると言われています」と説明。現在、資本主義からシェアリングエコノミーなど次の産業・社会構造を模索する人が増えてきているとし、
「その中で、例えば納税や労働以外に『生き様のデータ』を提供することで社会に貢献し、社会保障や金銭的対価を受けるという選択肢があっても良いのではないでしょうか」
と提案。このような仕組みを提供する前に、「まずは社会として新しい価値観に対してどう対応するかを確かめる必要がある」として、生活データ運用の先駆けとして同実験を企画したという。
「オフラインの人間の仕草、表情、行動の取得は全くの未開拓領域です」
データ収集の方法が”カメラ”であることについて、同社の遠野宏季代表はnoteで、オンラインの行動データ、スマートホーム、IoTデバイス、ウェアラブルのバイタルデータなどでもいいというが、
「ただし、オフラインの人間の仕草、表情、行動の取得は全くの未開拓領域です。風呂上がりに何をどのような感じで飲むのか、どのような状況でテレビCMを見てその時のリアクションはどうなのか、いつ布団に潜りその後どれだけスマホをいじって、その結果どのような人生を送るのか」
と綴る。なお、撮影したデータが実際にマネタイズされる際には、人物の顔や身体をCGでマスクするなど匿名化する。生活者が普段と変わらない日常生活を送れる状態を第一条件として考えていることと、動画配信ではなく”消費者行動データ”としてのマネタイズを目指しているためだ。同氏は、
「動画は人物をマスク処理し匿名化したとしても、その行動とリアクションとその結果は、人類が人類を知る上でとても意義のあることだと僕は信じています。『生き様』のデータは、利己的な遺伝子の実験場である僕らが取れる一番価値のある情報です」
と語っている。応募締切は11月15日。15から22日に面接を行い、25日から翌月25日間の屋内で私生活データを収集する。