田中さんの夫の“他人ごと感”は、休校になることを伝えた時から始まっていたそう。
「休校が正式に決まり、帰宅した夫に報告しました。子どもの体調や勉強のこと、休校中の家事分担について相談をしたかったんです。でも夫は『そうなんだ』の一言を発するだけ。子どもの面倒を見たり、仕事の調整をしたりするのは自分のやることではないと心底思っているので、『何が問題なの?』と言わんばかりの態度でモヤモヤしました」
やがて、夫の在宅勤務が始まったが、家事全般や子どもの世話、宿題チェックなどは田中さんの担当。夫はたまにやる程度で自室にこもって仕事をしているという。
佐藤さん(仮名、30代女性、子ども2人)も「自分は家で仕事だけしていればいいという態度が腹立たしいです」と夫への怒りを膨らませる。
「食事は子どものついでなので大きな負担はないですが、保育園の送迎はせめてやってほしい。オンラインミーティングが長引くかもしれないので夫にお迎えをお願いしたら、『家にいるけど俺は仕事だから無理』と言われ、カチンときました。いやいやいや、私だって仕事ですからね!」
「今のままでは女性の負担が大きすぎる」という声も
吉岡さん(仮名、40代女性、子ども2人)は「夫が家にいると余計な仕事が増え、毎日仕事になりませんよ」と話す。
「夫は静かな環境で仕事を進めたいため、子どもたちが騒ぐとすぐに怒ります。その度に私は子どもたちをなだめなければならず、仕事を頻繁に中断していますよ。お昼の用意も自分ではやらないし……。私だって集中してパソコンに向かいたいです」
吉岡さんは、在宅勤務の動きを歓迎しながらも「夫の意識改革は絶対に必要だと思う」と主張している。
「もちろん中には家事や育児に協力的な男性はいます。でも多くの場合、男性は仕事をしていればいいと思っているのではないでしょうか。夫は家にいるのに家のことも子どものことも何もしない。今のままでは、女性の負担が大きすぎます」
と話し、さらに「夫の仕事が大変なのはわかるし、頑張っていることには感謝しています。でも私にも仕事があり、夫のように仕事だけに取り組みたい時もある。それなのに『妻だから家のことも子どもたちのこともやるのは当然』みたいな態度をとられると不快な気持ちになります」と続けた。
意見を紹介した女性たちによれば、夫は休憩中にリビングでテレビを見たり、ゲームをしたりする時間的な余裕はある。にもかかわらず、昼食を用意することも子どもの相手をすることはしない。
本来であれば家事や育児を協力して取り組むはずが、妻に丸投げしていることがイライラの原因となっているようだ。コロナ別居やコロナ離婚に繋がらないとよいのだが……。