同協会によると、東京都の小池百合子知事が記者会見を開いた直後の3月下旬、買い占めのピーク時には、売上が前年比2~2.5倍にのぼる店舗もあったという。だが、現在は落ち着いており、4月6日の売上は同1.5倍ほど。同協会の広報担当者は
「緊急事態宣言に関しては、前週に発令するとのデマもあり、その後も国によって徐々に情報が出されていることから大パニックにはならないと思っています」
とコメント。店舗側の準備も少しずつ進めており、品薄気味のカップ麺やパスタ、冷凍食品などを中心に全般的に発注量を増やしているという。
また、前回の反省を生かして、品薄になりがちな商品については購入点数の制限などを設置した。「買い占め、買いだめがしにくい環境づくりに工夫を凝らしています」(同協会)とした。
買い占め騒動が多くのメディアで取り上げられ、社会的にも白い目で見る風潮が生まれつつあることも好材料だ。とはいえ、個人の行動が重要なことは変わらない。担当者は「買えない人を出さないためにも、個々のご協力をお願いいたします」と呼びかけた。
人材不足が深刻化 ”コロナショック”で収入減の人に「労働力貸して」
同協会の担当者は「買い占めもそうだが、今はむしろ働く人をいかに確保するかに課題を感じています」と明かす。スーパーの現場では、コロナ騒動で人手不足が深刻化しているという。
「やはり臨時休校が長期化し、子どものいるパート勤務の方は出勤することが難しくなりました」
主婦に限らず、休校中の高校生アルバイトについても「高校が休校しているのに、バイトをしてもいいのか」という思いから、高校生の出勤停止を決めた店舗もあるようだ。
また、特に首都圏などでは、技能実習生や留学生も労働力として欠かせない。ところが、母国に帰国したまま来日できない状況が続いており、現在は、通常時に管理業務を担う店長らも現場に出てレジ打ちや品出しをせざるを得なくなっているという。
同協会の担当者は
「一連の自粛要請などで収入が減った人も多いと聞きます。そうした人たちにぜひ『労働力をお貸しください』と呼びかけたいです」
と語った。スーパーで働くことで収入は得られるし、ジムに行かずとも身体を動かせるとし、
「スーパーは、病院などと同じくライフラインを守るために重要な仕事。だが、医師とは違って未経験でもいきなり働くことができるのでご協力をお願いしたい」
と強く呼びかけた。