野良猫への身勝手な餌付けは、かわいそうな猫を増やす最悪の行為 ”悲劇の連鎖”になってしまう理由 | キャリコネニュース
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野良猫への身勝手な餌付けは、かわいそうな猫を増やす最悪の行為 ”悲劇の連鎖”になってしまう理由

野良猫の餌付けはダメ

野良猫の餌付けはダメ

僕の仕事の一つに、ペット系情報サイトでの執筆活動がある。そこで現地取材めいたこともよくやるんだけど、もうここ数年ずっと遭遇しているのが野良猫への餌付け問題だ。

この問題はメディアでもよく取り上げられている。たとえば去年9月に大阪市で野良猫や鳩に餌付けをする人たちのせいでゴミが増えていることが報じられた。地域住民は数年に渡って後始末をしてきたが、とうとう行政に直訴する運びとなり、市長もこれに応じる姿勢を見せていた。

餌付け問題は全国どこであろうと、勝手に餌付けをした人間のせいで残った餌がゴミとなり、衛生状態が悪化する。そうなるとその地域の動物たちも不健康になってしまう。感染症の温床にもなる。

しかも餌付けされることで体力が付き、どんどん繁殖してしまう。これでは近隣住民はたまったものではない。管理できない人間の身勝手な餌付けは、動物にとってもその地域の住民にとっても最悪の行為である。(文:松本ミゾレ)

「時々、野良猫を保健所に連れていく人も居るみたいで一時的に減るのですが……」

先ごろ、ガールズちゃんねるに「野良猫や鳩に餌を与える人」というトピックが立った。これを立てた人物は、近所に野良猫や鳩に餌付けをする者がいて迷惑を被っているという。

餌付けのせいでハトの糞や野良猫の糞尿、吐瀉物で公園や庭が汚れ、さらに残ったエサを狙うカラスも増えているという。警察や保健所が注意しても改善しないそうだ。

「時々、野良猫を保健所に連れていく人も居るみたいで一時的に減るのですが直ぐに増えます。どうして注意されても可愛がってる野良猫を保健所に連れていかれても改善しようとしないのでしょうか?」

と、このように悩みを相談している。

こういうことは今、結構どこでも見かける光景だ。

野良猫以外にも、愛護団体やNPO法人が避妊・去勢して管理する地域猫がいるところもある。基本的にそういう地域猫たちは団体が餌付けをするので後片付けもしっかり行う。しかし、あろうことかそういう地域猫目当てに餌を持ち込んでばら撒き、残ったエサもそのままにしてさっさと退散する迷惑な人間もいる。本当に多くいる。

まして、地域猫でもない野良猫に、こういう迷惑な人間が餌付けすればどうなるか。即座に野良猫が増えてしまうことだろう。

残ったエサでカラスが集まれば、生まれたばかりの子猫も襲われる

このような勝手な餌付け行為って、全国各地で散見されるけど大体高齢者がやってるパターンが多い。餌付けの瞬間に話しかけてみると「俺が大事にしてるんだ」とか「ここに捨てられてた」とか言って、一見いい人に見えるもの。

でも、考えてみてほしい。避妊・去勢の手術費用も出さず、安くて粗悪なフードをばら撒き、餌の後始末すらしない迷惑な人間でしかないというのが実情だろう。それでも野良猫や鳩は懐くもの。だって粗悪だろうとエサをくれるんだもの。

で、そういう迷惑な人間のせいでどんどんその地域に猫が増える。猫は普通に鳩も襲うので目を覆う光景も発生することになる。残ったエサを狙ってカラスも集まるし、体力のない猫、生まれたばかりの子猫はこれに襲われる。

また、野良猫のオスは繁殖期には子殺しをすることもよく知られている。餌付けさえしなければ起きなかった悲劇が、連鎖的にあちこちで発生してしまう。

だからあえて言うけど、身勝手な野良猫への餌付けをする人は、その悲劇を想像できないか考えないようにしているバカなのである。さらには在来の小動物をも襲って猫は食ってしまうので、長い目で見れば環境にも悪影響をあたえてしまう。

元々猫は外来種だ。アライグマやマングースと同じような立場なのであるから、そんな動物を餌付けするのはナンセンス。というか、こういう餌付けをやらかす人たちも、猫が可愛いのなら連れ帰って家で大事にすればいいのに、それは絶対にしない。

要は手軽に安い餌をばら撒いて可愛がりたいだけ。餌付けをして懐いた動物を見て、軽く撫でて「また来るね」と言いたいだけなのだ。面倒な掃除、増えすぎた野良猫の対処など全部近隣住民や行政任せ。そのくせ殺処分されたら怒る。怒ってまた猫のいる場所を探す。これを延々繰り返す。こんなのに巻き込まれる周りの人たちと猫や鳩やカラスが可哀想だ。

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