「Amazonで棺桶が2万円で買える」と話題 どういう人が購入?販売元に聞いてみた | キャリコネニュース
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「Amazonで棺桶が2万円で買える」と話題 どういう人が購入?販売元に聞いてみた

画像はAmazonをキャプチャ

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「Amazonで棺桶が買える」と10月上旬、ネット上で話題になった。件の商品はワンタッチ式で組み立てられる棺で、布団が付いて1万9000円。顔の部分に扉式の窓もついている。配送料が3500円かかるものの、約2万円で購入できる。

レビューには、葬儀会社などを通さずに直葬をした人から声が寄せられている。ツイッターでは「こうやって葬式のかたち、これからどんどん変わっていくんだろな」という声が寄せられている。

実際、どんな人が購入しているのか。販売元の葬儀会社、つばさ公益社(長野県)の篠原憲文代表は「個人のお客様は葬儀に備えて購入する方のほか、終活アイテムとしてお求めになる方がいます」と話す。

「棺の中に入る分だけ本や服を持って行きたい」と終活に使う人も

棺は葬儀会社で普通に購入すると10万円程度はする。2万円はかなり安いと言えるだろう。

「Amazonでの購入者には直葬をする人もいれば、葬儀会社に持ち込む人もいるのではないでしょうか。購入者から『経済的に困っていたので安く棺が買えて助かった』という声も寄せられました」

と語る。急ぎの場合も、連絡をすれば翌日には発送しているという。

葬儀ポータルサイト「いい葬儀」が2020年に実施した調査によると、一般葬の平均総額は239万円。篠原代表は「葬儀会社に頼めば最安20~30万円程度ですが、それも払えない人もいます」と語る。そのため、直葬を選ぶ人も一定数いるようだ。

また、終活として自身のために生前に購入する人もいる。「棺の中に入る分だけ本や服を持って行きたい」と、実際に棺にものを入れてシミュレーションするのだそうだ。

直葬をサポートする「DIY葬セット」も発売

同社は2017年12月からAmazonで棺など葬儀に関する商品の販売を開始。その中で、棺と骨壷を同時購入する人が多いことが分かった。

「販売開始から3年で販売数は倍になりましたが、爆発的に売れているわけではありません。直葬を試みる人は100人中1~2人くらいでしょうか。ただ昨今、自分で送ることに興味を持つ人も増えました」

そのため直葬を適法に行えるよう知識面でもサポートしたいと、昨年12月にAmazonと自社サイトで「DIY葬セット」を発売した。セット内容には棺、棺用、骨壷、骨箱、風呂敷に加え、「DIY葬ハンドブック」も入っている。

遺体の運搬や安置方法、火葬するまでの手順や方法、衛生面・法律面で気をつけるべきポイントが記されている。例えば、火葬は死後24時間以内に行ってはいけないなど、”適法”に直葬を行うための手引書といえる。

篠原氏は「家族の形が変わり、葬儀の形も変わってきました」と語る。例えば、三世帯家族で地域の人を葬儀に呼びたい場合、通常の葬儀を行ったほうがいいという。しかし、核家族化で、「何年も会っていない、子どものいない親戚の葬儀を挙げなければいけない」といったケースも増えてきている。

「そうした場合は、葬儀にお金をかけられない、家に連れて帰りたくないと思う人もいます。葬儀業界にはあまり多様性がありませんでしたが、今後もさまざまな選択肢を作っていきたいと考えています」

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