リーディングテックは10月29日、「貯金実態調査2020」の結果を発表した。調査は10月にネット上で実施し、18歳以上の男女1121人から回答を得た。
世帯貯金額の平均値は389万円だった。中央値は200万円。分布別にみると、最多は「100万円未満」(33.8%)で、次いで「100~200万円未満」(15.1%)が2位。一方、3番目に多かったのは「1000万円以上」(11.5%)だった。
「貯金が実質ゼロに近い層」が大幅減少
前年と比較すると、変動幅が最大だったのは貯金額「100万円未満」の割合で、9.7ポイント減少。一方、次いで大きかった「1000万円以上」の割合は4.2ポイント増加した。また、平均値では72万円、中央値では100万円それぞれ増加していた。
同社は、全体的に貯金総額が増加した原因として、新型コロナウイルスに係る特別定額給付金で臨時収入があったことや、外出自粛により娯楽支出が減ったことなどを挙げる。特に「1000万円以上」の増加については「貯金が多い世帯における娯楽支出の減少幅が他の層よりも大きかったことが原因」と推察していた。
続いて「100万円未満」の貯金額の分布をみると、最多の「50~55万円」(7.8%)付近と、貯金が実質ゼロに近い「5万円未満」(6.4%)付近に分かれた。ただ、前年からは”貯金が実質ゼロに近い層”の0~20万円の層が大幅に減少し、50~55万円が増加。「貯金が実質ゼロに近い層」の減少という観点で、特別定額給付金に一定の効果があった可能性があるとした。
貯金額の平均値を年齢別にみると、最多は「60代」(905万円)だった。次いで「50代」(616万円)、「40代」(554万円)、「70代」(413万円)などと続く。若年層の「30代」(362万円)、「20代」(170万円)、「10代」(27万円)では比較的低かった。
また、世帯年収別にみると、貯金額の平均値は世帯年収が上がるほど概ね高かった。トップ3は「800万円台」(836万円)、「1000万円以上」(792万円)、「900万円台」(683万円)。次いで、多かったのが「700万円台」(482万円)、「600万円台」(479万円)、「500万円台」(390万円)などと続いた。
このほか「400万円台」(256万円)、「300万円台」(242万円)、「200万円台」(191万円)と貯金額200万円前後で続いた一方、「100万円台」(334万円)では”世帯年収500万円台”にも迫る平均値だった。