これだけもらえる優良企業の社員

上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、ネットワークソリューション企業のNECネッツエスアイ（NESIC）を取り上げます。

NESIC社員の平均年収は769万円

最新データ（2020年3月期）によると、NECネッツエスアイ社員の平均年間給与は769.0万円。ここ数期は一貫して伸びており、4期前と比べて19万円増えています。

• 2016年3月期：749.9万円
• 2017年3月期：734.0万円
• 2018年3月期：739.0万円
• 2019年3月期：755.4万円
• 2020年3月期：769.0万円

この額には、賞与や基準外賃金（手当など）も含まれています。

企業口コミサイト「キャリコネ」に投稿された給与明細によると、28歳男性エンジニアの年収は630万円。住宅手当が月2万円、定期賞与は年2回で計150万円です。

時間外手当は月10万円。「生産部門が残業時間を押し上げ、スタッフ部門が平均を下げている」とのこと。部署によって時間外手当の金額は大きく異なるようです。

2020年3月期は、売上高が3期前比の17.7％増の3036億円、営業利益が同62.9％増の162億円と順調でした。

2021年3月期も上期決算は売上高が前年同期比11.0％増、営業利益が同54.1％増の増収増益。通期でも売上高が前期比7.7％増、営業利益が同17.0％増となる見込みで、6期ぶりの過去最高益としていた従来予想に上乗せしています。

NESIC社員の平均年齢は44歳

次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数（ともに単体）を見てみましょう。

NECネッツエスアイ社員の平均年齢は44.0歳。メーカー系はやはり年齢が高めです。職種によっても変わると思われますが、ざっくり言うと40代半ばで700万円台後半をもらう人が多いということでしょうか。

• 2016年3月期：5,109人（42.2歳・16.2年）
• 2017年3月期：5,089人（42.8歳・16.7年）
• 2018年3月期：5,009人（43.3歳・17.3年）
• 2019年3月期：4,841人（43.6歳・17.5年）
• 2020年3月期：4,871人（44.0歳・16.8年）

本体（単体）の従業員数は減っていますが、グループ全体（連結）では2020年3月期が7,818人で、4期前と比べて4.7％増となっています。単体が占める割合は62.3％です。

NECネッツエスアイのセグメントは３つ。主に企業の業務系SIを担う「デジタルソリューション」、主に通信事業者や社会インフラ向けの「ネットワークインフラ」、国内・海外の施工事業や保守・運用を担う「エンジニアリング＆サポートサービス」です。

2021年3月期上期の売上高は「デジタルソリューション」が567億円と最も大きく、次いで「エンジニアリング＆サポートサービス」の516億円、「ネットワークインフラ」は381億円でした。

営業利益でも「デジタルソリューション」が53億円と最大。「エンジニアリング＆サポートサービス」が35億円、「ネットワークインフラ」が22億円となっています。

働き方改革関連事業が堅調

新型コロナ禍の影響で商業・サービス業などの一部業種でIT投資の先送りが顕在化したものの、テレワーク導入など働き方改革関連投資は堅調に推移しています。

決算短信によると、NECネッツエスアイではコロナ前の2019年10月より、本社オフィスを削減し、通勤30分以内となる東京近郊のサテライトオフィスに分かれて働く「分散型ワーク」を実践してきたそうです。

キャリア採用サイトには、システムエンジニア、ネットワークエンジニア、施設・建設エンジニアなどのほか、プリセールスやソリューション営業の求人もあります。

先端的で実証実験的な取り組みは、今後のサービス提供にもつながってくるものと思われます。ITで日本企業の働き方改革に関わりたいと考えている人には、魅力的な職場となるかもしれません。

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