
あの会社の社員の平均年収はいくら?
大企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は12月15日に有価証券報告書を開示したばかりのサイバーエージェント(東京・渋谷区)を取り上げます。
サイバーエージェント社員の平均年収は733万円
最新データ(2020年9月期)によると、サイバーエージェント社員の平均年間給与は733.6万円。前期と比べて50万円以上も増えています。
好決算を受けて、社員に対し総額14億円の特別インセンティブを支給。これが給与を大きく押し上げる要因となっているようです。
- 2016年9月期:779.5万円
- 2017年9月期:703.4万円
- 2018年9月期:709.2万円
- 2019年9月期:681.7万円
- 2020年9月期:733.6万円
この額には、賞与や基準外賃金(手当など)も含まれています。
企業口コミサイト「キャリコネ」へ投稿された給与明細によると、26歳クリエイティブ職の女性社員の年収は636万円。月の基本給は50万円。住宅手当3万円が光りますが、5年以上勤務すると5万円に増えるそうです。
年俸制なので定期賞与はありません。この女性は「残業をして仕事をたくさんこなすことが美徳になっていた」と振り返りつつ、「女性にとってはとても働きやすい環境を、この会社は提供しているんじゃないかな」とも評価しています。
サイバーエージェントの2020年9月期は、売上高が前期比5.5%増の4786億円、営業利益が同9.9%増の339億円と増収増益でした。
セグメントは、「インターネット広告事業」と「ゲーム事業」、アメブロやABEMAなどの「メディア事業」の3つ。ABEMAへの先行投資を継続しているメディア事業は182億円の赤字ですが、ABEMAと周辺事業の損失が前期の206億円から185億円に改善したとのことです。
2021年9月期の通期業績予想は、売上高が5000億円、営業利益は前期比11.5%減から3.3%増というレンジ予想。最終利益は同21.1%から51.3%増と大幅増となる見込みです。
サイバーエージェント社員の平均年齢は33.2歳
次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数(ともに単体)を見てみましょう。
サイバーエージェント社員の平均年齢は33.2歳。これだけの規模の会社としては、非常に若い会社といえます。ざっくり言うと、30歳で700万円程度もらっているということでしょうか。
- 2016年9月期:1,572人(31.7歳・4.9年)
- 2017年9月期:1,500人(31.9歳・5.1年)
- 2018年9月期:1,540人(32.2歳・5.2年)
- 2019年9月期:1,589人(32.6歳・5.4年)
- 2020年9月期:1,587人(33.2歳・6.0年)
このデータはサイバーエージェント本体(単体)のものですが、グループ全体(連結)の従業員数は、2016年9月期の3,858人から2020年9月期の5,344人へと急増しています。
増加率が最も高いのはゲーム事業で4期前比46.4%増の1,772人。インターネット広告事業は同34.6%増の1,838人。メディア事業は33.1%の789人です。
なお、グループ全体(連結)に占める本体(単体)従業員の割合は29.7%。グループ内の人事交流が活発なので、本体とグループ会社との給与水準格差はほぼないと見られます。
「ABEMA」と「AI事業」に注目
サイバーエージェントの2020年9月期は、コロナ禍の影響を受けながらも売上高は過去最高を更新。営業利益も期初の見通しの上限レンジ超えを果たしています。
すべてのセグメントで増収。先行投資で赤字のABEMAを抱えるメディア事業を除き、インターネット広告事業とゲーム事業は増益となっています。
注目のABEMA事業は、2020年6月から提供開始したPayPerView(有料オンラインライブなどコンテンツごとにコインを購入)により、第4四半期の売上高が前年同期比1.4倍に伸びており、赤字縮小の目処が立っています。
もうひとつの注目はインターネット広告事業で、デジタルマーケティング分野におけるサービス開発を行う「AI事業本部」がキャリア採用を強化しています。
広告配信や需要予測、クリエイティブの自動生成や音声対話などの領域で事業開発を行っており、この分野に関心のある人には魅力的な職場となるかもしれません。
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