上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、日本を代表する巨大流通グループを率いるイオンを取り上げます。
イオン社員の平均年収は864万円
最新データ(2020年2月期)によると、イオン社員の平均年間給与は864万5087円。ここ数期は急速に増加しており、2期前より65万円も増えています。
- 2016年2月期:822万3330円
- 2017年2月期:812万4517円
- 2018年2月期:799万4665円
- 2019年2月期:824万7310円
- 2020年2月期:864万5087円
この額には、賞与や基準外賃金(手当など)も含まれています。
企業口コミサイト「キャリコネ」へ投稿された給与明細によると、62歳男性管理職の年収は1,138万円。「生活と仕事がバランスよく組み立てられ、定年までしっかりと勤務できる会社」とのこと。企業内大学など社員を育てる環境が充実しているうえ、「多角化も見事であり活躍できる分野が多い」と高く評価しています。
イオンの業績はここのところ右肩上がりに伸びており、2020年2月期の営業収益は前期比1.0%増の8兆6042億円、営業利益は同1.5%増の2155億円の増収増益でした。
2021年3月期は新型コロナ禍の大打撃を受けましたが、スーパーマーケット事業とヘルス&ウエルネス事業が好調を維持しています。
第3四半期にはメガヒット映画「鬼滅の刃」の集客効果もあり、ディベロッパー事業とサービス・専門店事業の業績が改善。通期では営業収益は前期比1.2%減、営業利益は30.4%減から44.3%減のレンジ予測となっています。
イオン社員の平均年齢は47歳
次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数(ともに単体)を見てみましょう
イオン社員の平均年齢は47.7歳。ざっくり言うと、40代後半になると800万円台後半に達する人が多いということでしょうか。
- 2016年2月期:330人(45.5歳・19.8年)
- 2017年2月期:347人(46.1歳・18.7年)
- 2018年2月期:324人(46.7歳・18.4年)
- 2019年2月期:382人(47.2歳・18.2年)
- 2020年2月期:451人(47.7歳・18.5年)
イオン(単体)の従業員はここ数期増加傾向にありますが、事業を担わない純粋持株会社ですので、グループ全体(連結)の16万0227人(2020年2月期)から見ると、ほんの一握りです。
イオンのセグメントは、イオンリテールなどの「GMS(総合スーパー)事業」、ダイエー、マルエツ、ミニストップなどの「SM(スーパーマーケット)事業」、ウエルシアグループの「ヘルス&ウエルネス事業」、イオン銀行などの「総合金融事業」、イオンモール、イオンタウンなどの「ディベロッパー事業」、イオンエンターテイメントなどの「サービス・専門店事業」、東南アジアに展開する「国際事業」の7つ。
2020年3月期の営業収益の構成比は、SM事業が37.4%、GMS事業が35.6%で、この2つを合わせると73.0%。一方、営業利益では、総合金融事業が32.7%、ディベロッパー事業が27.0%、ヘルス&ウエルネスが15.8%で、この3つを合わせると75.5%に。利益率の低いGMSおよびSMで売上や顧客数を集め、別の事業で利益を上げている構造となります。
各子会社で求人募集中
イオンは、287社の連結子会社、28社の持分法適用会社を傘下に擁する純粋持株会社で、イオン自体では事業を行っていません。
子会社、関連会社には、オリジン東秀やマックスバリュ、ミニストップ、ダイエー、マルエツ、アコレ、まいばすけっと、ベルク、いなげや、ウエルシアHD、ツヴァイ、未来堂書店など、イオンの名前がついていない会社も多いです。
求人のほとんどはグループ会社のもの。とはいえ、上場している会社も多くあり、巨大流通グループの一員として働いてみたい人には魅力的な職場となるかもしれません。
なお1月26日現在、イオン本体の一般事務(人事企画部)のスタッフの求人が掲載されていました。雇用形態はアルバイト・パートですが、勤務地はイオン本社となります。
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