カウンター席に案内され、注文を待つこと約8分。午後2時すぎの店内はほぼ全席が埋まり、お客さんが常に入れ替わっていたが、店員がキッチンに伝える注文は「一丁(カツ丼)」や「ロースカツ定食」ばかり。結局、「ラーメンコロッケ」を注文する人は筆者以外におらず、一抹の不安がよぎる。
店員が運んできたお盆には、ごはんと豚汁、山盛りの千切りキャベツに2種類の揚げ物が乗っていた。二等分された小さめのロースカツと、長さ15センチくらいのラーメンコロッケが2つ。お弁当を食べる時の順番はいつも「好きなおかずから」派の筆者は、さっそく割りばしでラーメンコロッケを二つに割ってみた。
まず目を引いたのがネギだ。本来、コロッケの中にあるはずのない緑色はインパクトが強い。ジャガイモはごろごろっとしていて、黒コショウと思われる黒い粒が見えた。
食べてみると、やっぱり知っているコロッケの味とは違った。昔ながらのコロッケにある甘みはなく、塩・こしょうが強めの味付け。ほくほくしたジャガイモが同店お得意のサクッとした衣に包まれている。
ごはんやキャベツと一緒に口に運ぶことを想定しているのか、味付けはやや濃いめ。普段はコロッケにソースをかける人にも、まずはそのまま食べてみることをお薦めしたい。
「ラーメン」を感じるかは人それぞれ?
食べ勧めるうちに、メンマやチャーシューと思われる食感に出会うこともあった。だが、割合的にはだいぶ少なめ。同社のリリースいわく「幸楽苑秘伝のラーメンだれ」で味付けたジャガイモがメインで、肝心の麺は入っていない。味がラーメンかどうかは、正直判断が難しい。
あえて言うまでもないが、ロースカツは安定のおいしさ。安い店にありがちな衣でかさ増ししているわけでもなく、分厚い豚肉は食べ応えもある。具沢山の豚汁も、寒さに凍えた体に沁みる味わいで、定食に両方とも付いているのは高ポイントだ。
店内のポスターには、2020年1月6日からは「味噌チキンカツ丼」(税抜き590円)が始まるとのアナウンスも。年明け一発目のかつやも今から楽しみだ。