普通に考えて、パチンコやパチスロがしたくても近所の店がやっていなければ諦めるものだ。しかしパチンコしか趣味がなかったり、依存症レベルでパチンコをしたいというヘビーユーザーたちは、その”普通”を軽々凌駕する。
11日の晩、テレビを観ていると『新・情報7days ニュースキャスター』(TBS)で茨城県のパチンコホールに千葉県からやってきたパチンコユーザーがいた、という旨のリポートがあった。この報道自体は前日の夕方のニュースでもやっていたようだが、実際のVTRを見たのはこのときが初めて。
「あ、ホントに営業してる店まで遠征しちゃうんだ」と呆れてしまった。まるでイナゴの群れみたいなバイタリティである。茨城県は緊急事態宣言の対象ではないので、そりゃもちろんパチンコホールも開店しているんだけど、わざわざ出向くかね……。
いや、それぐらいパチンコへの執着と依存って怖いものなんだという証左なんだろうけど、せいぜい自粛は1か月。ひとまず5月6日までなので、それぐらい我慢すればいいのに。
この分じゃ5月5日も相当多くのパチンコユーザーが他県に流出しそうで不安だ(ぞろ目の日は根拠なくアツいと、多くのパチンコファンは思い込んでいるので)。
営業自粛を決定したパチンコホールに思う正直な気持ち
しかしまさかこんな事態になるなんて、先月の今頃には予想もしていなかった。そしてまた、実に多くの地域でパチンコホールが休業するとも思っていなかった。
だって東日本大震災のときだって、散々周囲から批判されても営業を続けていたホールは山ほどあったんだもの。それぐらい今回の新型コロナウィルスが危険ということなのだろう。
少し前には他店を出し抜くかのように、自粛を推奨される中で大々的に新台入れ替えの告知を行っていた千葉の某ホールも、今は営業を休止している。マルハンやダイナムなどの大手も、都市部での店舗営業を取り止めて数日が経過した。
こういう状況について、個人的には「パチンコホールも情勢を鑑みて営業休止するんだなぁ」と結構本気で驚いている。正直、軽く感動している。
また大手だけでなく、埼玉県では系列を持たない独立店舗も自主的に無期限での営業休止を選択したという話もある。再開できるかどうか微妙なライン、最悪そのまま閉店の危機もあるという状況下でも店を閉めるという選択は、なかなかできることではない。
それだけに、各パチンコホールのこの文字通りの血のにじむ努力を、普段から「パチンコ屋はぼったくり」とか「あの店は遠隔してる」とか言いながら足しげく通っていた一部のユーザーが無駄にしつつあるのは残念だ。
自分の暮らしている地域のパチンコホールも休止するぐらいの非常時なのだから、そういう状況で「じゃあ他所の地域に遠征だ!」とピクニック感覚で出向くなんて。報道では茨城県のパチンコホールにやってきた他県のパチンコユーザーについて、近隣住民が「不安です」って言ってたけど、まさにそのとおりである。
パチンコが好きだったり、依存しちゃってるのはユーザー各位の勝手だけど、期限付きの営業休止にも我慢できないというのはさすがに治療を受けるべきだと強く思う。他県の人を不安にさせてまで朝っぱらから遊びたいなんて、そんなことは自粛云々関係なく病気だもの。