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新規事業に必要なのは‟ワクワク感“ 楽天を急成長に導いた男が語る「ビジネスの作り方」

【川俣 理晶】株式会社キュービック 執行役員

【川俣 理晶】株式会社キュービック 執行役員

創業から12年、インターネットメディア事業を軸に大きく成長してきた株式会社キュービックは今、 新規事業拡大に注力し、次のステージへ一歩を踏み出そうとしています。 その新規事業拡大を先導するのが、2017年9月に入社し現在は執行役員を務める川俣理晶氏。

20代の頃は当時ベンチャーフェーズであった楽天株式会社に在籍し、楽天の急成長に貢献。 その後も複数のIT系などの事業会社にて新規事業の立ち上げを経験してきた川俣氏ですが、 キュービックに入社する前は「もう新規事業をやることはない」とすら思っていたそうです。

しかし現在、川俣氏はキュービックにて「2年後半に新しい柱となる事業を作り上げる」というゴールに向けて奮闘中。

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「もう新規事業をやることはないな」その想いを覆したキュービックとの出会い

—— 川俣さんは新規事業の立ち上げに関わってきた経験が多いとお聞きしています。なぜキュービックで事業立ち上げに携わることを選んだのでしょうか。

実は、キュービックに入る前に一瞬だけ「もう新規事業をすることはないな」と思ったことがあるんです。というのも、僕は IT 系などの事業会社でいくつかの新規事業に携わった後、一度起業したんですね。しかしマーケティング的な基盤がなく、ゼロから1をつくるスタートアップは本当に大変だと思い知りました。その時「もう 0→1 の新規事業をやることはないな」と思ったんですが……キュービックとの出会いで「またやりたい」と変わったんです。

きっかけは、キュービックが新規事業のための人材を探していると聞いて、代表の世一に会ったこと。そこでキュービックの「ヒト・ファースト」という考え方に感銘をうけたんです。たとえば、デジタルマーケティングにおいてはデータだけでなく、画面の向こうにいる人の深層心理に向き合う。社内外の人に対してもコミュニケーションを重視し、個人が最大限に活躍できるように機会創出を考える。

常に、ヒトに対して真摯に向き合うというキュービックの「ヒト・ファースト」という姿が、非常に魅力的だったんですね。キュービックという会社を知って、気持ちがリフレッシュされて、また新規事業をやりたい、そう思うようになりました。

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また、キュービックは 2006 年の創業以来、メディア事業 1 つに集中して成長を遂げ、マーケティングにおいては 12 年間かけ培ってきた、いわば“資産”があります。そして今、企業として投資拡大のフェーズ。この状態で新規事業を立ち上げるのは面白いなと思ったんです。

今は、ベンチャー企業が何億円という大きな資本を調達できる時代です。そのため社内で新規事業を立ち上げられるような能力を持つ人なら、会社から言い渡された数千万円規模の予算にしばられて苦労するよりも、「自分で会社を立ち上げてやった方がずっといい」と考えてもおかしくないと思います。

ただし、どんなに良いプロダクトを持っているべンチャー企業でも失敗するケースは多くありますが、その理由はだいたい3つ。人がいない、資金がない、マーケティングができない、のどれかです。 しかし企業の中での新規事業であれば、スタート時点でこれまでに会社が培ってきた顧客ルートや人脈、マーケティングの土台などを活かせます。そういった資産を活用できることは、企業内の新規事業の魅力だなと。

僕がキュービックと出会った時は、キュービックが創業から成長期を迎え、事業拡大のさまざまな好条件が揃ったタイミングでした。そこで僕は、キュービックで新規事業をやりたいと強く思ったんです。

やり方は型にはめない、どんどん変える。大事なのは「主体的にワクワクすること」

—— 2018 年夏から新規事業を組織化してスタートされていますが、どのようなメンバーで進めていらっしゃるのですか。

現時点でメンバーは社員の他、学生インターン、経営者インターン、メンタリングをお願いしている社外ブレーン、業務委託のエンジニアに協力してもらっています。

”経営者インターン”とは、自身で会社を経営しながらキュービックに共感して協力してくれている方で 2 人います。どちらも会社勤めの経験がなく、ゼロから 1 を立ち上げたことはあっても、企業内で 1 を 10 にしたり、10 を 30 にするという経験がなかったため、「その景色が見たいから」と協力してくれています。僕らはゼロから生み出したいから、お互いのニーズがマッチしているんです。

キュービックは、もともとメディアをしっかり育てるという DNA を持った会社。新規事業を次々立ち上げるという会社ではないので、まずはさまざまな知見を持つ方々に助けてもらうということも積極的にやっています。

そして、このようにいろんな方たちと組むこと自体が、僕らにとっては組織学習だと思っています。どのようなパターンが僕らにフィットするのかを学びながら、この機会にキュービックらしい事業の立ち上げ方の成功方程式をつくっていきたいと考えているんです。

現在はコアメンバーで事業の軸を生み出している時期ですが、今後、事業内容が具体的に決まってきたら、事業ごとに採用含め増員しチームをつくっていく予定です。

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—— 現在は社員以外の方のメンバーも多いとのことですが、そういったヒトのアサインにおいて重要視していることは何かありますか。

これはキュービックらしいのですが、必ずしもまず条件があって、それに合う人を採用・アサインするというパターンではないんです。たとえば、僕らが想像もしないスキルや経験を持っている人と出会うと「この人がいれば、こんなことが起こるかもな。面白いな」と思います。

そうなると「この人にどのようにジョインしてもらい、どんなふうに活躍をしてもらおうか」と、相手軸で考えて Win-Win の状態を探しだすんですね。そういう時は、たとえ予算外でも「採用しよう」となるんです。出会っちゃったんだから、仕方がないと(笑)。

—— 「出会っちゃったから仕方がない、採用したい」となってしまう。そういう場面で、大切にしていることはありますか。

ひとつはカルチャーフィット。根っこの部分でキュービックが大事にしているもの、たとえばヒト・ファーストに対して共感できるかどうか。

ヒト・ファーストはある意味厳しい選択だと思っています。関わる人に対して、まっすぐ向き合うということだから。僕らの強みは、そのカルチャーや経営理念に一貫性があるところだと思っているので、そこに共感できない人は、キュービックの強みを発揮できない。だからこそ逆に、共感さえあれば「こういう人もありだよね」となるんです。

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—— 新規事業プロジェクトを進めていく中で、川俣さんが意識していることは何ですか。

本人がモチベーションを高く取り組める環境づくりは意識しています。当初2〜3人のチームを組んで企画を出す段階から進めていたんですが、皆の表情から上手く稼働していないことがわかりました。

チームはエンジニア、デザイナーなど役割分担ができていると、個人の能力を発揮できます。でもビジネスアイデアを考える側の人間ばかり集まると、お互いの意見をすり合わせるうち、自分のやりたいことからどんどん外れて、結果的に誰のアイデアでもないものになってしまう。表情からそれを強く感じたので、最近はそれぞれ自分で考えたいものをやっていく形に切り替えました。今はまだ準備期間、いろんな可能性を探る時期でもあるので、型にはめず柔軟によりよい方法へと変化させています。

前職のスタートアップでは、厳しい環境やシチュエーションもありました。それでもなぜ続けられたかというと「これが上手くいったら自分はきっとワクワクするな」という想いがあったから。

会社は方向性を決めるけれど、そこから先は自分たちが主体的にワクワクできるか、進められるかどうか。僕たちは事業立ち上げのスペシャリストではないからこそ、個人の興味関心やモチベーションは重要です。だからこそ、メンバーのモチベーションを高められるような環境づくりは大事だなと考えています。

「それをなんとか解決したい!」そんな“強烈な”課題意識があるかどうか

—— 過去にいろんな新規事業に携わってこられた経験から、新規事業にいちばん必要なものは何だと思いますか。

強烈な課題意識だと思います。浅いアイデアなら誰でも思いつく。そこから 2 段 3 段と深堀できるかどうか。それには、その領域に詳しいとか、そこに対する強烈な課題意識を持っているかどうか。別に何か特殊な技能をもったスペシャリストである必要はないんです。

事業を起こすためには、いろんな人を巻き込む必要があって、それにはやはり深く知る力は欠かせません。本人も気づいていない深層心理に気づけるかが重要で、そのためには深い洞察力が必要です。もしくは強烈な原体験をもっていること。それは原動力にもなるんですね。

課題意識を持った人と、実際にビジネスを形にしたり育てたりした経験のある人との組み合わせも新規事業では大事。その融合を起こせるかどうか、そこは僕の役割だと思っています。

それに、新規事業はなんでもかんでも時間をかければいいというものでもありません。描いている世界観、メンバーのユニークさ、情熱のあるなしとか、何かしら光る特徴が必要なんです。

仕事は、家族より長い時間を過ごす。だから自分にとって意味のあるものに

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—— キュービックに入社してから 3 ヵ月間は毎日誰かと飲みに行っていたとお聞きしましたが、その目的は何だったのですか。

まず皆を知りたいと思ったんです。そのためにはまず飲みに行くのが手っ取り早いかと(笑)。最初は昼でしたが、1 回のランチぐらいでは深まらなくて、やはり親しくなるには 2 段階あるなと思ったんです。まずは、人となりを知って話ができる関係になってから、その次に仕事の話や相談ができたり向こうからも気軽に声をかけてもらえたりするのかなと。途中からは仕事の話はせずに、お互いに理解することに軸を移しました。

仕事をする上でのベースづくり、つまり僕の話を聞いてくれたり、向こうが僕に対して意見を言ってくれたり、それができる関係性をつくっておきたかったんです。

—— コミュニケーションを重視するのは、何か理由があるのでしょうか。

せっかく関わるのであれば、コミュニケーションを通じて僕と出会ったことがよかったなと思ってもらえる関係を築きたいと思っているんです。業績は上がったけれど、あいつ最悪だったとか、二度と話したくないとかではなくて(笑)。そして仕事を通じて、関わったその人に何かよい影響を与えられればいいなと、根っこの部分にはいつも思っています。

そう思うのは過去の反省もあるかもしれません。30 代前半くらいまで、部署の立ち上げや事業のグロースの仕事に携わって成果もそれなり出ていたから、かなり突っ走って仕事だけになっていました。当時は、特に何も思っていませんでしたが、振り返ると、その仕事でいったい何が残っただろうかと……疑問を感じるようになったんです。人として生きているのだから、やはり”人として楽しかった”と感じることに重きをおくようになってきたんです。

それは、スタートアップを立ち上げたことも、キュービックに入った理由の1つでもあります。仕事仲間とは、家族より長い時間を一緒に過ごします。それだけ長い時間を費やすなら、自分にとって意味のあるものにしたいし、そこで一緒に過ごす人たちとよい関係を築いて、楽しい時間を過ごしたいと思うんです。

僕らの新規事業はまだ始めたばかりです。自社だけで完結することも少ないし、事業を進めていくうえで、ユーザー、クライアント、パートナーなど、いろんな人とのつながりは、やはり非常に重要なんですね。

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