低賃金に過重労働…… 保育士の現状について知っておきたいことまとめ
保育士の給料水準は、他の業種よりも低く、以前から問題視されていた。政府は2015年度に保育士の給与を3%改善、2017年4月からは2%の上乗せを実施した。
しかし、保育従事者の93%がこの改善について「ズレている、効果がないと思う」と回答。保育士の処遇改善を実際に受け取っているかとの問いには、「まったく感じない」の回答が約6割で最多となった。保育士の本音から、さらなる改善が必要とされていることが伺える。【→詳しく見る】
保育士の約6割が「有給取得しづらい」と回答
保育士は給与の安さだけでなく、勤務時間の長さも保育士が増えない要因のひとつとなっている。保育士として長く働いていくには、給与面の充実だけでなく、適度な休息を取れる環境であることも大切である。ウェルクスが実施した保育士の有給休暇取得に関する調査では、有給休暇を取得した経験がある保育士は9割近くに上がった。
しかし約6割の保育士が「有給取得を取得しにくい」と回答。その理由として最も多かったのが、「人員不足や忙しすぎるなどの理由で取得している余裕がないから」であった。また付与された有給休暇を「必ず消化できる」と回答した保育士は16%しかいなかった。【→詳しく見る】
職場の人間関係にも問題あり、6割が「クラッシャー上司いる」
どの職場でも、人間関係がうまくいかなければ安心して働けないものだ。たとえば、部下や後輩がミスをすると必要以上に責め立て、ひどい場合は退職まで追い込む「クラッシャー上司」。ウェルクスの調査によると、保育の職場にクラッシャー上司や先輩が「いる」と答えた保育士は、83%にのぼる。
実際にクラッシャー上司の圧力や暴言で「心身に不調をきたしたり、退職したりしてしまった人がいる」と回答した人は92%。人間関係の問題が多い職場では、保育士が働くモチベーションが下がってしまい、離職率も高くなってしまうだろう。【→詳しく見る】
深刻化する保育士の人手不足
待機児童問題を解消のためにも、保育士不足に歯止めをかけたいところ。全ての条件をクリアするのは難しいかもしれないが、不足している保育士の確保のため、保育士の給料や待遇、労働条件の改善が望まれる。また新しく保育士を増やすだけでなく、離職を防止することも必要となるだろう。
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