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コロナ禍でも迷走するパチンコ業界 ユーザー救済機能の”遊タイム”も持て余し

パチンコ業界はどうなる?

パチンコ業界はどうなる?

あらゆる業界が新型コロナウイルス禍のせいで業績を落としているが、パチンコもまた同様。どこも大変なようだ。

パチンコホールの客層というのは、今はもう若者が少なく、僕みたいな中年から爺さん婆さんが主体だ。業界として、先が見えない状態と言ってもいい。そしてコロナ禍以降、客足の戻らない状況に喘ぐホールは多い。(文:松本ミゾレ)

「意図的に厳しい調整にしているのではないか」と推察してしまうほど……

僕が見た何軒かのホールを例に挙げれば、やっぱり客の入りは昨年に比べるとガクッと減っている。何のイベントも打ってない平日なんて、ほんと静かなもんだ。まあ、ホントはイベントもやっちゃダメなんだけどね。

ただ、この危機的状況を救う可能性のある……つまり客足を回復させる力を持った新しい規格の機種が、今、各ホールには導入されている。それが”遊タイム”付きパチンコ台だ。

遊タイム。馬鹿馬鹿しいネーミングだが、これは簡単に言えばパチスロの天井と近しい機能である。数百回当たりを引くことができなかった場合に発動する救済措置で、遊タイムが発動すると時短状態になり、それ以上は規定回転数まで玉を減らさずに遊技できる。

もちろん、当たりを引けなければ意味がないし、しばらく玉が減らないと言っても抽選は低確率状態のままのだが、ないよりはかなりマシだ。

ユーザーにとっては「最低限ウン百回転遊べば時短が発動するんなら、ちょっと打ってみるか」というきっかけにもなる。だが、恐ろしいことに全国各地のパチンコユーザーが「回らない」と嘆いているのだ。

回らないというのは、簡単に言えば釘が閉まっていて全然玉が入らない、遊べない状態を指す。例えば、遊タイム機として現在ホールに導入されている「PAぱちんこ新必殺仕置人TURBO-A8」という機種の場合、等価換算だと1000円で18回ぐらいが妥当とされている。

だが、僕がこの機種を打ってみた限りでは、そこまで回る台にはまあ巡り合えない。せいぜい1000円で15回ぐらい。しかしこれは別に、ことさらパチンコの釘を締めてる店ばかり打ってるわけでもない。

事実、同じホールで遊タイムの付いていない機種を打つと、1000円で20回転ペースで遊べる台はある。つまり、遊タイムの搭載されている機種を、これは意図的に厳しい調整にしているのではないか……と推察してしまう。

僕もすでに「どうせ遊タイムの台は釘がキツいし、こっちのよく回るミドル打つか」という気持ちになってしまった。

設定付きパチンコと同じ末路をたどるのか?

前述したように、遊タイム機の調整を厳しくして扱っているパチンコ店は多いようだ。極端な話では「1000円で10回も回らなかった」なんて声を聞くこともある。たまたま下ブレしただけなんじゃないの……とは思うが、とにかく最初の1000円でその程度しか回らないなら、普通はもう打たないよね。

恐らくホール側も、遊タイムに対しては過剰に警戒をしているというか、扱いについて最適解が分からずに苦慮しているんだろう。だから、とりあえず回さないことで、遊タイム発動まで少しでも投資させたいという思惑があると踏んでいる。

ただ、これってすごく勿体ないなあ、と思わないこともない。遊タイム機は、ボーダー通りに回してさえくれれば、お客さんはちゃんと座ってくれる仕様だと感じるからだ。だって、青天井で何にも引けずに帰る可能性が低くなるんだもの。

それなのに、実際多くの店舗では遊タイム機をガチガチに締めてる。時短を恐れて釘を締めるなんてナンセンスだ。

なんかこの遊タイムに対するパチンコ店の扱い方を見ていると、一時期鳴り物入りで復活した設定付きパチンコがあっという間に廃れた経緯を思い出す。設定式で当たりやすさが異なる面白いスペックの台が数年前まで出てたんだけど、結局これらの機種に対して店側が見出した妥当な調整が、低設定放置であった。

マジであっという間に廃れたし、酷い店だと設定を低くして、釘まで締めていた(設定示唆演出が搭載されていた機種も多く、演出で高低が判別できた)。あれだって、上手く使えばホールの主力にもなる起爆剤みたいな存在だったのに。

今回、パチンコ業界の危機的状況で鳴り物入りに登場した遊タイム機も、なんだか同じ末路をたどりそうだ。

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