派遣社員は現況をどう感じているのだろうか。実際に派遣で働くキャリコネニュース読者からは
「同一労働同一賃金の前後で一切の変化がありません」
「おそらく派遣元と派遣先はメリットがないと感じているのでしょう」
といった声が寄せられている。さらに「うちの派遣会社は、すべて客先の評価ありきです。よって派遣先にも派遣元にも買い叩かれており、私としては現代の奴隷制度だと強く感じています。また客先でもサンドバッグやシワ寄せとしての役割であるため、人としての扱われ方は一切されていません」と不満を漏らす。今回は派遣社員が抱える不満を紹介する。(文:鹿賀大資)
「仕事内容は社員とほぼ同じ。しかし給料は社員と万単位で違う」
年収300万円の青森県30代男性は、派遣元の会社では正社員の立場だ。本来ならそのまま出向するはずだったが、出向先の都合で派遣社員として働くことになったという。ちなみにその派遣先は、男性が所属する派遣会社の元請けにあたる。派遣先である元請会社での扱いについて、
「仕事内容は社員とほぼ同じです。しかし給料は社員と万単位で違うし、ボーナスは半分以下。同一賃金同一労働に関しても、派遣元の正社員だからという理由で『適用外』と言われてしまい……」
派遣元の会社で働いていた時は、残業で稼げたという。しかし、派遣先は基本的に定時退社のため「収入が大幅ダウンです」と漏らしている。
「定職につきたくても出来ない事情があり、仕方なく選んでいる」
年収200万円の神奈川県30代女性は、社員と同等の仕事内容にも関わらず、収入の差が大きいことに不満を持つ。「ボーナス分と退職金追加」という名目で時給が上がったというが、その金額は「50円にも満たない範囲」といい、アップしたことで「仕事はどんどん増える一方」と続ける。
「社員はテレワーク制度がある。しかし派遣にはその制度がないため、出勤せざるを得ない状況。休みも社員が優先されがちで、なかなか自分の希望には合わせられない。よく『派遣は気楽だ』と言われるが気楽ではない」
女性はさらに「いつクビになるかもわからない」とも述べ、「定職につきたくても出来ない事情があり、仕方なく選んでいる」と苦しい胸の内を明かした。
このほかに「無期派遣の方は別として、私は4か月先まで契約更新が決まっていても、その後はどうなることやら。辞めるつもりはないのですが……」(40代女性/東京都/年収300万円)といった声も寄せられていた。
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