若い女性がかなり年上の男性を慕う場合、ほとんどは恋愛感情などないだろう。しかし男性はそれで割り切れないこともある。掲示板ミクルに10月中旬、「二回り年下の女性」というスレッドが立った。投稿者は「40半ば、未婚で独身のおじさんです」と自己紹介し、前の職場の年下女性と二人で飲んだときの顛末を相談していた。
二回り下ということは、女性は20代だろう。スレ主は前職で指導者の立場で、彼女とは3年間同じチームで働いた仲だ。いざこざが絶えないチーム内で、スレ主と彼女は唯一気が合う仲間だったという。久しぶりに再会したその日、彼女は思いのほか酔っぱらい、店を出た駅までの道で投稿者に正面から力強く抱きついた。
「二回りも年下なのでその手の感情は封印していましたが、愛おしさと嬉しさで私も抱き返し、長いこと二人で抱き合っていました」
と投稿者は綴っている。(文:okei)
「彼女の思いは?私は大切な存在を失ってしまうのか」と悩む
投稿者の追記によると、彼女はお酒が強い方だが、彼氏と別れ、職場の人間関係にも悩んで飲みすぎてしまったようだ。酔って駅までの道で相談者にしなだれかかり、途中何度も座り込みながら歩いたという。抱きついてきた彼女は、「泣いたり笑ったりしているようだった」とのこと。
もっと彼女の話を聞くため、カラオケや居酒屋などを探したものの、なかなか落ち着くことができずにいると、彼女は別の知人男性と連絡をつけ、送ってもらうと言い出した。「私は時間つぶしに使われたのか」とカッとなったスレ主は、「もう連絡しないでくれ」と言い、カフェに彼女を残し立ち去ったという。
しかし、スレ主は後悔している。「彼女は一体どんな思いでいたのか、私は大切な存在を失ってしまうのか」と苦悩し、きたんのない意見を求めていた。
この相談に対するコメントには、忌憚のない冷静なツッコミが相次いだ。
「失って正解だと思うよ。女からすればこのオッサンちょれーwって感じだよ。(中略)お互いのためにも今後は関わらないほうがいい」
「私が若い頃は、ひと回り以上の歳上男性は、父親代わりの優しくしてくれるただのおじさん感覚でした」
おじさんには恋愛感情を持つことも持たれる事も無く、「ただの頼りになる気楽な相談相手としてしか見ていなかった」という声に、多くの賛同が集まった。また、親世代の上司や一回り上の先輩とよく飲みに行くが、「なんか変な勘違い起こされて次第に関係がおかしくなる」と嘆く20代の女性もいた。
「良い人だけど恋愛に免疫がないのかな」抱きつく相手が悪かった
厳しい声を受け、投稿者は我に返ったようで「勘違いしたのはやっぱり私だけなんでしょうね」「私がポンコツだったのです」などと猛省している。スレッドに「主さんは良い人だけど、恋愛に免疫がないのかな、という印象」という声もあったように、投稿者はどこまでも真面目な人柄のようで、「取り返しがつかない、本当に大切な人を傷つけた」とまで思いつめていた。
この言葉には、前述の20代女性から
「全部違う。お花畑から出てきなさい。”信頼関係にあった大切な人傷つけました”、それはあなた目線の一方的なストーリー。彼女目線では、慕っていた元同僚と一回飲みに行っただけ」
とさらに厳しいツッコミが入っている。
女性の思いは知る由もないが、他の男性を呼び出すという行為から、恋愛感情がまったくないことは分かる。スレッドには、相手女性を「男を弄ぶ地雷女」のように批判する声もあったが、「精神的に参っているとき、慕っていた元同僚につい甘えてしまった」という線が近いのではと筆者は思う。それにしても、抱きつく相手が悪かった。誤解するほうが悪いのか、させるほうが悪いのか、難しい問題だ。