上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる」シリーズ。今回は、家賃保証サービスのCasa(カーサ)を取り上げます。
Casa社員の平均年収は532万円
最新データ(2020年1月期)によると、Casa社員の平均年間給与は532.9万円。2期前と比べると2.5万円増えています。
- 2018年1月期:530.4万円
- 2019年1月期:532.7万円
- 2020年1月期:532.9万円
この額には、賞与や基準外賃金(手当など)も含まれています。
企業口コミサイト「キャリコネ」に投稿された給与明細によると、36歳女性社員の年収は481万円。「残業が非常に多い事態が恒常化している」としながらも、時間外手当は月3万円。「自分の年収はとても不満に感じている。600万円貰えないと満足できない」と書き残しています。
Casaは2017年10月に東証二部上場、2018年10月に東証一部に市場変更を果たしています。2020年1月期から不動産経営プラットフォームのCOMPASSを連結子会社とし、売上高は前期比9.6%増の94億円、営業利益は同14.9%増の15億円です。
2021年1月期の第2四半期決算は、売上高は前年同期比8.2%増となったものの、営業利益は同48.1%減と大幅減益に。コロナ禍の影響で貸倒引当繰入額や訴訟・処分費用が膨らんだこと、システム投資を行ったことなどが要因です。
Casa社員の平均年齢は42.8歳
次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数(ともに単体)を見てみましょう。
Casa社員の平均年齢は42.8歳。ざっくり言うと、40代に入って500万円台に達する人が多いということでしょうか。社員が減少傾向にあるのが気になります。
- 2018年1月期:322人(42.0歳・6.5年)
- 2019年1月期:301人(42.6歳・7.3年)
- 2020年1月期:294人(42.8歳・7.8年)
国税庁調査の「年齢階層別の平均給与」によると、40~44歳の平均給与は520万円。Casaはこれをやや上回っていますが、東証一部上場企業としては低めで、東洋経済の「30歳年収」全国ワースト500社に入ったこともありました。
Casaは「家賃債務保証事業」の単一セグメント。入居者の賃貸借契約に際して、入居者と保証委託契約を締結し、Casaが連帯保証人となることで、貸借人(家主)の賃料等の未収リスクが解消されるサービスを提供しています。
つまり家賃の滞納をすると、入居者はCasaから家賃の“取り立て”をされることになります。
「孤独死保険」備えた商品が好調
Casaの代表的な商品「家主ダイレクト」は、貸借人(家主)に家賃を直接送金するサービスで、東京海上日動火災保険などと連携した「孤独死保険」を組み合わせています。
個人信用情報を利用した審査を行う「ダイレクトS」や、契約手続きをオンライン化する「電子契約」などの機能を強化しており、積極的なシステム投資を行っているところです。
この「家主ダイレクト」が業績を押し上げており、2020年1月期の有報によると契約数が前期比180%に達しているとのことです。
なお、宮地正剛社長が社員たちに暴言を吐いたと「週刊文春」が報じた影響か、現在採用サイトに接続できなくなっています。
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