上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、国内最大級の総合人材グループを統括するパーソルホールディングスを取り上げます。
パーソルHD社員の平均年収は650万円
最新データ(2019年9月期)によると、パーソルHD社員の年間平均給与は650万7139円。前期からは13万円あまり増えていますが、4期前からは52.6万円減っています。
ただし後述するように、ここ数期は経営体制および従業員数が大きく変動しており、その影響を踏まえて見るべきです。
- 2016年3月期:703万3266円
- 2017年3月期:658万9989円
- 2018年3月期:656万2856円
- 2019年3月期:637万6760円
- 2020年3月期:650万7139円
この額には、賞与や基準外賃金(手当など)も含まれています。
2020年3月期の売上高は前期比4.8%増の9706億円でしたが、従業員給与手当及び賞与などが増加し、営業利益は同11.4%減の391億円となりました。
2021年3月期上期決算は、売上高が前年同期比2.8%減、営業利益が同31.0%減。通期業績予想も減収減益となる見込みです。
パーソルHD社員の平均年齢は38.5歳
次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数(ともに単体)を見てみましょう。
パーソルHD社員の平均年齢は38.5歳。ざっくり言うと、30代のうちに650万円に達する人が多いということでしょうか。
- 2016年3月期:180人(37.5歳・9.4年)
- 2017年3月期:189人(37.2歳・7.7年)
- 2018年3月期:284人(37.4歳・6.6年)
- 2019年3月期:341人(38.3歳・6.7年)
- 2020年3月期:355人(38.5歳・6.8年)
売上高1兆円を目指す会社の割には従業員数が少ないですが、これはパーソルホールディングスがパーソルグループの持株会社であるため。グループ会社全体(連結)の従業員数は以下のとおりです。
- 2016年3月期:16,542人
- 2017年3月期:16,452人
- 2018年3月期:22,143人
- 2019年3月期:38,954人
- 2020年3月期:45,179人
従業員数が急激に増えていますが、これは2018年3月期に豪州の人材会社および子会社を連結の範囲に含めたこと、2019年3月期に派遣事業で無期雇用化が進んだことなどによるものです。
ホールディングスでも人材募集中
パーソルグループは2020年3月期から、セグメントをSBU(戦略ビジネスユニット)に変更し、人材派遣を中心とする「Staffing」、人材紹介を中心とする「Career」、IT・業務アウトソーシングを中心とする「Professional Outsourcing」、デジタルソリューションを提供する「Solution」、海外子会社の「Asia Pacific」に再編しています。
2021年3月期上期は、売上高は「Staffing」が2603億円と圧倒的。次いで「Asia Pacific」が1247億円と海外事業が大きく貢献しています。
SBU別営業利益は、やはり「Staffing」が1631億円とほぼすべてを担い、「Professional Outsourcing」の99億円などを大きく引き離しています。「Career」はかろうじて黒字でしたが、「Solution」や「Asia Pacific」は赤字に転落しています。
パーソルグループの中期経営計画では、2023年3月期に売上高1兆円を目指し、2027-2030年に日本・APECにおいて「はたらいて、笑おう。」を実現するというヴィジョンを掲げています。
パーソルグループ各社のほか、パーソルホールディングスでも経営体制を強化する人材募集を行っています。グローバル経営を支える仕事に携わってみたい人には、魅力的な職場となるかもしれません。
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