世の中に数あるゲームのなかでも、特に高い人気を誇る“アイドルマスターシリーズ”(以下アイマス)。個性豊かなアイドルたちをプロデューサーとして育成するゲームだが、ソーシャルゲーム・アニメ・ラジオなどさまざまな媒体に展開されており、その沼は深い。
都内で個人事業を営む20代男性は、アイマス沼にどっぷり浸かっている。同シリーズ2作品に累計800万円を注ぎ込み、
「真っ先に遊興費を削減するため外出をしなくなった。時間がいくらあっても足りない」
と日常生活に支障が出ていることを明かす。アイマス沼から抜け出せないのは、この男性ばかりではない。千葉県の30代後半女性も、アイマスに生活を左右されている1人だ。(文:大渕ともみ)
ソシャゲに300万円課金「推しのガチャを絶対に引かなきゃいけない気がして」
女性はIT・通信系の企業で契約社員をしている。年収は500万円台だが、『アイドルマスターSideM』に約300万円を課金した猛者だ。決して生活に余裕があるわけではなく「貯金ができなくなった。老後が不安」と胸中を明かす。それでも課金をやめられないのはなぜなのか。女性は、
「SNSや掲示板を見ていると、自分も推しのガチャを絶対に引かなきゃいけない気がして、何万円も使ってしまう。上位イベントも同じ。一度1位を取ると、周囲からはやし立てられ『期待に応えなければいけない』と思う」
とファン心理を語る。女性がアイマスで消費するのはお金ばかりではない。「ソシャゲといえど時間がかかるので、夜遅くまでプレイして寝不足で出勤。ひどいときは遅刻や欠勤など。推しの上位のときは、有休消化で引きこもり……」と多大な時間までもアイマスに捧げていることを打ち明ける。
イベント参加やグッズ収集に200万円「日帰りで東京から仙台へ移動したりするので」
アイマスで“ソシャゲ廃人”と化している女性だが、真のオタクがゲームプレイだけで満足できるはずがない。女性は「ゲーム外でも、おそらく200万円ほど使っている」と衝撃の事実を告白。加えて、
「ゲーム内に留まらず、リアルイベント参加やグッズ収集にもお金がかかる。イベント限定のグッズを入手するために、例えば日帰りで東京から仙台へ移動することもあるので」
といい、グッズ購入代よりも交通費がかさんでしまうのが実態だ。そのほか、女性はアイマスの登場キャラクターで装飾したバッグ、通称“痛バ(いたば)”の制作経験も持つ。きっかけについて「SNSで繋がったソシャゲ友だちの誘いと義務感から」と振り返るが、グッズ収集や痛バ制作の熱は少しずつ冷めてきていることを打ち明ける。集めたグッズを売ってみるものの、
「今SideMは下火のため、二束三文でしか売れない。残念な気持ち」
と肩を落とす女性。ブームが去ったときに後悔しないよう、アイマスのゲーム課金にあてる金額も見直すべきかもしれない。
※キャリコネニュースでは引き続き「ソシャゲ廃人経験者」や「テレワークで快適なこと・つらいこと」などのアンケートを実施しています。