これだけもらえる優良企業の社員

上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は「JINS」ブランドのメガネ専門店を展開するグループの持株会社、ジンズホールディングスを取り上げます。

ジンズHD社員の平均年収は662万円

最新データ（2020年8月期）によると、ジンズHD社員の平均年間給与は662万6197円。2期前と比べると300万円以上も増えていますが、これは後述する経営体制の変更によるものです。

• 2016年8月期：339万5846円
• 2017年8月期：350万7697円
• 2018年8月期：351万0294円
• 2019年8月期：678万0455円
• 2020年8月期：662万6197円

この額には基準外賃金（手当等）および賞与が含まれています。

企業口コミサイト「キャリコネ」には、経営体制変更前（2018年）の社員口コミが掲載されています。29歳（高卒）男性販売職の年収は440万円。勤務時間について「店舗ミーティングがある日は長くなってしまうが、他の日を短くする総労働時間制を採用していた」そうです。

福利厚生は「眼鏡が格安で買える」「身内や知人なども30％引きで買える従業員用の優待券がある」と明かしています。

ジンズHDの業績はゆるやかな右肩上がりで推移していましたが、2020年8月期はコロナ禍の影響で店舗の営業自粛を余儀なくされるなど打撃を受け、売上高が前期比2.6％減の602.6億円、営業利益が同24.7％減の56.2億円の減収減益となりました。

2021年8月期の第1四半期も不調が続き、売上高は前期比0.8％減、営業利益は42.0％減に。しかし通期では、売上高は同19.2％増、営業利益は47.8％増となる見通しを立てています。

ジンズHD社員の平均年齢は38.8歳

次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数（ともに単体）を見てみましょう。

ジンズHD社員の平均年齢は38.8歳。ざっくり言うと、30代後半で600万円台後半をもらう人が多いということでしょうか。

• 2016年8月期：1,830人（28.6歳・3.6年）
• 2017年8月期：1,878人（28.8歳・4.0年）
• 2018年8月期：2,047人（28.6歳・3.8年）
• 2019年8月期：52人（38.2歳・5.7年）
• 2020年8月期：53人（38.8歳・6.3年）

従業員数が激減していることでも分かるように、ジンズグループは2019年7月から持株会社体制に移行しています。国内アイウエア事業のジンズなどは連結子会社となり、ジンズHDに勤務するのはグループの統括業務に携わるスタッフのみとなります。

なお、グループ全体（連結）の従業員数は、2016年8月期の2,532人から2020年8月期の3,707人へと急増しています。

事業は「国内アイウエア事業」「海外アイウエア事業」「雑貨事業」の3つで、2020年8月期は国内アイウエア事業が売上高の78.8％を占め、セグメント利益では唯一の黒字事業となっています。

「コンサルファーム出身者」の求人あり

ジンズの特徴は、メガネ等のアイウエアの企画、製造、販売を一貫して行うSPA体制を採っていること。一時は「メガネ界のユニクロ」ともいわれました。

ジンズHDの採用サイトには、店舗スタッフだけでなく本部社員の中途採用求人も掲載されています。募集職種は、管理本部 経理・財務部の担当スタッフのほか、経営企画部門の事業企画リーダーの求人もあります。

必須条件は「コンサルティングファームで5年以上のPM（プロジェクトマネージャー）経験」があること。なかなか高いハードルです。歓迎条件は「アパレル・SPAモデル・流通業・小売業態へのPM経験」「事業会社での事業企画経験」です。

個人業績に基づく「評価賞与」が年2回支給されるほか、会社・個人業績により「業績賞与」が最大年2回支給されることがあるとのこと。会社を成長させるスタッフとして関与したい人には、魅力的な職場となるかもしれません。

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