新型コロナウイルスによる経済ダメージは、大きなものになっている。各企業はテレワークの推進や時短営業などの対応を迫られている。一方、頑なにテレワークを導入しない企業も多くある。都内の30代女性(ITエンジニア/年収600万円)は、テレワーク未導入の企業で働く一人だ。
「会社としてはテレワーク推奨しているとマスコミに発表していますが、実際には謎の回数制限が設けられています。理由は、『非効率だから』とのことでした」
テレワークに消極的な環境に対し、女性は辟易する。今回はコロナ禍なのに、リモートワークをしていない企業での就労のリアルに迫る。(文:中島雄太)
“出社してもマスクをしている限りリスクはない”と言われました
都内の30代女性(営業職/年収350万円)は「コロナウイルスが感染拡大しているにもかかわらず、『出社してマスクして仕事をしている分にはリスクがない』」と言われ、出社を強制されている。女性は営業職だが、他の会社では営業職でもテレワークを導入していると聞いたという。
「テレワークによってできなくなる仕事はありません。職場にいくまでには満員電車に必ずならなければならないので本当に理解できません。先日は満員電車で密着している後ろの人から咳をかけられて本当に帰りたくなりました」
神奈川県在住の30代女性(事務職/年収400万円)の会社では、本社のみテレワークを導入している。「本社だけで実施されている理由は、テレワークの環境が整っていないからだと聞きました」と綴る。
「上司は『有給休暇は強制できないが、自分や家族を守りたいなら有給休暇を積極的に取るように』と言って、有給休暇を取った社員を褒め称えています。また、現場では勤務抑制が許可され、社員は特別休暇を取ることができますが、本社でも現場でもない部署に勤める社員には、特別休暇は認められていません」
そのため、社内の人数は減っておらず、感染するのではないかと毎日不安に苛まれていると続けた。
「派遣社員はテレワークが認められていない。パーテーションも段ボールのものだけ」
都内に住む30代女性(Web関係/年収300万円)は「テレワークができる職種なのにさせてもらえないことに不満を感じる」と語った。正社員は在宅勤務をしているが、それでも実施率は3?4割にとどまっている。女性は派遣社員として働いているが、派遣社員のテレワークは認められていない。
「派遣社員が在宅勤務をできない理由については、セキュリティ上の問題などと説明されています。前回の緊急事態宣言のときから何も進歩しておらず、テレワーク導入の設備投資などをしないのは明らかに企業努力に欠けていると感じます。デスクとデスクの間に形ばかりのパーテーション(段ボール)が設置されていますが、ここ数日、隣の席の社員がずっと咳をしておりとても不安です。派遣社員のテレワークを認めないのならば、せめて正社員は完全在宅勤務にしてほしいと思います」
※キャリコネニュースでは引き続きIT音痴上司のせいでテレワークに支障が出てる人や「男だから」「女だから」自分の性別がマイナスになっていると感じたことなどのアンケートを実施しています。