読書好きの人は月にどれだけ書籍代を使っているのだろう。お悩み解決掲示板に2月上旬、「旦那はお小遣い制3万で毎月そのうち1万を本に使います」というスレッドが立った。投稿者は、新婚で出産を控えているという産休中の女性。夫が読む本は漫画から経済などジャンルはさまざまで、
「本を読むのは勉強にもなるので賛成なのですが、にしても1万円は使いすぎかと」
と不満をこぼしている。妻としては、図書館や古本、定額読み放題など安く済む方法はいくらでもあるし、これから子どもが産まれてお金がかかるのに……と、節約意識の低い夫に対するモヤモヤが止まらない様子だ。(文:篠原みつき)
夫の言い分「図書館や古本では読みたい本がない、読み放題も……」
夫は社食などを利用し、コロナ禍のため外食もレジャーも控えているため、今は生活費をさほどかけていないとのこと。しかし、本のために「小遣いが足りない」となることが、投稿者は嫌だという。今後結婚式もやりたいし、自分の誕生日祝いもしてもらっていないなど不満を綴り、「何かいい方法はないでしょうか?」と相談している。
ちなみに夫の言い分としては、「図書館や古本では読みたい本がない。電子書籍の方が使いやすい。月額の読み放題も試したが、いい本がない」とのこと。これ、読書好きの人はよく分かるだろう。電子書籍の読み放題は発売後数年経ったものが多く、話題の人気作や好きな作家の新刊をすぐに読みたいなら買ってしまう方が確実だ。筆者も、本屋に行くより早いし場所もとらないため、最近は電子で買う事も多い。もちろん図書館や古本も利用するが、投稿者の夫は読めればなんでもいいわけではないのだろう。
スレッドの回答には、さまざまなアドバイスや意見が寄せられた。
「本好きなら1万で済むなら安いほうだと思う」
「本が好きな人は、本を読むことがストレスの解消になるようですよ。自由にさせてあげては?」
「同じ1万、キャバクラで散財されるのとどっちがいいですか?」
また、読書の素晴らしさを諭す声や、親がたくさん本を読むのはこれから生まれるお子さんにも良い環境だと、夫の趣味を肯定する人が多い。
他方、「細かすぎて楽しくないんじゃないの?」「お小遣いは好きに使わせてあげないとお小遣いじゃなくなる」などと指摘する人も。借金するほど課金するとか、部屋が本で占領されて困っているわけでもないため、夫を擁護する声のほうが目立っている。
「年収の高い人ほど書籍や雑誌の購入費が高い」という調査もあるが
一方、「毎月3万の小遣いで本に1万円は使いすぎだと思う」など、妻側の主張に賛成する人もチラホラ。
「お小遣いが足りなくても渡さない。たぶん 旦那さんの中で『足りなくなったら貰えばいいや』って気持ちがあるんじゃない?」
「面倒とか読みたいのがないとか、なんか言い訳だなって思いますけど」
本を安く入手する方法はいくらでもあるため、努力が足りないだけという指摘だ。これに投稿者も賛同し、「細かくしたくなくても自由にしすぎると家庭が崩壊します」と、しっかり者らしき気概をみせた。
しかし書籍代に月1万円かけるのが贅沢かどうかは、本人の収入によるだろう。2009年の日本経済新聞社の調査によると、「年収の高い人ほど書籍や雑誌の購入費が高い」という結果が出ている。これは「読書するほど高収入になれる」という論拠に使われることがあるが、筆者は「単に高収入だから本にお金をかけられる」だけではないの?とも思う。
とはいえ、読書は単なる「趣味」というだけでなく、知識や教養で人生を豊かにするという面はある。投稿者は夫の収入を「年齢の割には十分」と書いているため、夫本人にとってはこれでも我慢しているほうかもしれない。