パチンコ人口がたった1年で200万人減って813万人に! 禁煙化、コロナ、6号機の不振と厳しい状況続く
「パチンコは庶民の娯楽」というのはもはや死語になりつつある。今、このご時世でパチンコを「庶民の娯楽だ」なんて言ってる人は、どうかしているのではないかと思われてしまう。
不況のこの日本でも、パチンコホールに一歩足を踏み入れれば1万、2万があっという間に消えたり増える。本当にあの空間は、現代の市井の雰囲気とは別モノというか、遊技と言いつつ明確なギャンブル場である。
そんな空間に集うユーザーも、今はほとんどがパチンコ趣味を卒業できないコア・ファンたち。ヘビーユーザーらである。しかしそうは言っても人の財布の中身には限度がある。折からの不景気に加えて昨年からのコロナ禍のせいで、もういい加減無駄遣いができなくなって卒業したファンは多い。(文:松本ミゾレ)
かつては2800万人と言われていたが……
パチンコ・パチスロの遊技人口は、かつては2800万人ほどであった。この2800万という数字は業界の人たちも結構意識していたみたいで、僕が2004年にパチンコ業界で会社員になろうと思って説明会に出向いたときにも、何度もこの2800万という数字を聞かされた。
それが今やどれぐらい減ってしまっているのか。
パチンコ情報サイト、アミューズメントプレスジャパンが、4月12日に「パチンコ・パチスロ参加人口 1年間に200万人減少し813万人に シーズリサーチが発表」という記事をアップしている。
この数字はマーケティング会社シーズのリサーチ部門がエンタテインメントビジネス総合研究所とアミューズメントプレスジャパンの2社と共同で実施した調査の結果得られたもの。
遊技人口はこの1年のうちに1021万人から2割近く減少し、一気に813万人にまで落ち込んでいる。たしか去年の今頃には「昨年より微増で遊技人口回復」というニュースを目にしたものだけど、その一瞬の希望を吹き飛ばす大幅なユーザー減となってしまった。
理由はいくつもあると思う。ホールが原則禁煙になったので、チェーンスモーカーとパチンコという親和性の高い取り合わせが破綻したのと、折からの不景気と、コロナのせいで外出を控える人が増えたこと。
そのためにホールとしても泣く泣く回収に走らざるを得なくなり、笑えないほど”回らない”パチンコ台ばかりになっちゃったこと。パチスロも6号機が制約ばかりで、それに嫌気が差したユーザーに見切られた……などなど。
コロナ禍に救いの兆しをもたらした人気台が、よりによってここでゴトの対象に
弱り目に祟り目という言葉がある。かつてないほどユーザーが減っているパチンコ業界で、今現在かなり人気を博しているパチンコ台が存在する。それが老舗・三洋の『P大工の源さん 超韋駄天』だ。
大当たり確率は1/318で、その大当たりの6割ほどでメインの出玉トリガー「超源RUSH」に移行。こうなると93%の確率で当たりが連荘するという仕様で、ここ最近は全国的にもこの機種が客を呼ぶ要のような存在になっている。
他の機種の釘を締めているホールでも、『源さん』だけはまあ、じわじわと毟り取る程度の調整で済ませているというケースが非常に目立つほどには、こんな状況でも優遇されている。
ところが最近、この『源さん』を狙ったゴトが発生してしまっている。ゴトというのはパチンコ・パチスロ台を対象にした不正行為の総称で、概ね大当たりを意図的に発生させて任意のタイミングで玉を出すことを指す。
既に本機においては複数のホールでゴト被害が発生しており、これらは各店舗の公式SNSなどでも盛んに被害報告がアップされているところ。こんな時期に、こんな頼みの綱を対象にゴト行為が起きてしまうなんて、これはたまったものではないはず。よりによってこの状況で稼ぎ頭がゴトの標的になるなんて、悪いことは重なるものだ。
まさしく今、ここがパチンコ業界のどん底の底の底なんじゃないかと、傍目に見ていて感じてしまうところ。今以上にどうしようもない時期なんて、僕が知る限りではなかった。
僕はもうとっくにパチンコ業界と関係なくなってて、こうしてたまに外野からパチンコの話をしている立場だけども、やっぱりここまで落ち目になっている業界を見るのは寂しい。
ここがどん底なら、あとは上がるだけだ! みたいなエールを送りたいが、さっき新宿のマルハンが閉店するって話を知って「え!?」ってなってしまった。貯玉下ろしに行こうにも、百合子が「東京に来るな」って言ってるもんなぁ……。