祝日もなく、5月以上に疲れを感じやすいのが6月ではないでしょうか。最近ではゴールデンウィークあたりに陥る五月病だけでなく、5月下旬~6月にかけて身体に不調が起こる新五月病、六月病といった言葉も生まれています。これらは適応障害の一種とされています。
今回はこれからの時期のメンタル不調をリセットするきっかけになる”デジタルデトックス”の効果や必要性をお伝えします。(文:株式会社ニット 広報 小澤美佳)
テレワークでオンオフの切り替えもできず
昨年の夏、鏡を見るとある違和感に気づきました。なんと前髪が薄くなり、はげてしまっていたのです。勇気をふり絞って美容師に相談すると、頭皮がカチカチに硬くなっているとのこと。
思い返すとその頃、完全在宅勤務になり、いつも以上にパソコンやスマ―トフォンを見ている時間が増えていました。オンオフの切り替えが難しく、頭もフル回転させすぎ、眠れなくなるなど身体に負担をかけていたようです。
これをきっかけに、出会った言葉が「デジタルデトックス」でした。デジタルデトックスとは、一定の時間や期間、パソコンやスマートフォンなどデジタルデバイスとの距離を置き、ストレスを軽減するというもの。
私の会社は全てオンラインで仕事を進めているため、業務は基本的にパソコンの使用が中心です。SNSも使用するため、スマホを見ている時間も長いです。現代社会で「デジタルを完全に手放して生きていきましょう!」が難しいことは承知しています。
しかし、リアルなコミュニケーションの中での発見や、自然に触れることによるリフレッシュなど、デジタルから離れることで多くの効果があるのも事実です。
新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言延長で、引き続きテレワークをしている人や、自由に行動できないストレスが増えた人も多いでしょう。私は副業で大学講師をしているのですが、1年間全てオンラインで授業を行いました。学生の中には、オンライン疲れもあり「もう限界です……」と悲鳴をあげている子もいます。
そもそも私たちは、どれくらいデジタルデバイスに触れているのでしょうか。現代においてほとんどの人がスマートフォンやタブレットなど、インターネットに接続するデジタルデバイスを利用しています。
MMD研究所の調査によると、スマートフォン(スマホ)の利用時間は「2時間以上3時間未満」(21.8%)が最も多く、次いで「1時間以上2時間未満」(16.9%)となりました
スマホで最も利用するものは、「SNS」(28.7%)、「動画」(26.3%)、「コミュニケーション」(25.8%)がトップ3。惰性で何時間もネットに触れてしまうという人も多いでしょう。
PC・スマホの見過ぎで首のヘルニアにも……
とはいえ、「デジタルデトックスって具体的に何をしたら良いの?」という人もいらっしゃいますよね。私も実践した、簡単にできる方法をお伝えします。 まずは「ブルーライトから離れる」。電源を切る、かばんや引き出しの中に入れるなど自分のそばから離してみてください。その上で、
・身体を動かす
・お洒落をしてみる
・プチ贅沢をしてみる
・親に電話をしてみる
・仕事は一切しない
・本をじっくり読む
・丁寧に料理を作る
・ゆっくりお風呂に入る
・ひたすら寝る
といったことをしてみてください。私が特に感じたのは「眼精疲労が改善される」「睡眠の質が向上する」「気持ちがスッキリする」といったもの。その他にも、日本デジタルデトックス協会によると下記のような効果を得ることが出来ると言われています。
・ストレスが軽減する
・脳の疲れが改善される
・心の余裕が生まれる
・想像力が高まる
・五感が冴えてくる
・ひらめきが良くなる
・幸せな気持ちになれる
・安心感が増す
「中々疲れが取れない」「気分が優れない」など、心身の調子が良くない方には一回デジタルデトックスをしてみてはどうでしょう。
ちなみに私は前髪がはげてしまった以外にも、毎日長時間悪い姿勢のままソファに座りっぱなしだったため、頚椎椎間板ヘルニア(首のヘルニア)にもなってしまいました。身体に不調が出る前にもっと上手くデジタルデバイスと付き合っていれば……!と思っています。
情報は宝であり、デジタルは手放せません。しかし、人間にとって唯一平等なのは時間。可処分時間で何をするかで人生は大きく変わります。
読書、学習、スポーツ、買い物、旅行、家族や恋人、友人との人生に必要な要素は日常に溢れています。デジタルデトックスをきっかけに、様々な選択肢に優先順位をつけ、何に時間を使うか決めて、より豊かな人生にしていきましょう。
【プロフィール】小澤美佳
新卒でリクルート入社。採用領域の営業、営業マネージャーを経て、リクナビ副編集長として数多くの大学で講演実施。採用、評価、育成、組織風土醸成など幅広くHR業務に従事。中米ベリーズへ単身移住・起業。その後、ニットに入社し、営業・人事を経て、広報。オンラインファシリテーターとしても活動中。