「フリーターです。正社員なる気ないです」
「今正社員ならなくても、本気でやばくなってからでよくないですか?20代の貴重な時間を正社員で浪費したくないです」
大学出てから約2年という投稿主の20代女性は、現在アルバイトで月10万、個人収入で月15万円ほどを稼ぐ。1人暮らしで、老後のために毎月3~5万円貯金するなど、「フリーターの身分で満足してます。毎日楽しい」と綴っている。
問題は、親が「正社員正社員うるさいし、うざい」という点。投稿主は「自立してたらなんでもよくないすか?正社員になる必要ありますか?」と質問しているが……。(文:石川祐介)
「好きに暮らしたらええ」温かい声も
まずあったのが、「好きに暮らしたらええ」「本人が満足ならいい」といった反応。個人で稼げているという点に着目し、「稼げる能力あるなら良いんじゃ無い?働かず親のスネ囓って働きたく無いって言ってたらクズ過ぎるけど違うんだし、良いじゃん」という意見や、働き方が多様化していることを受けて「週3正社員とかある時代だから働き方は自由」といった、女性の生き方に肯定的な声も出ていた。
一方で、正社員のメリットとして、「社会的信用があるので、借家や借金の際に審査が通りやすい」「有給休暇がある」「社会保障が手厚い」「クビになりにくい」などといった点を挙げ、フリーターや自営業の不安定さを指摘する声もあった。
正社員は「浪費」だけ?
この議論を見て、自分も考えてしまった。実際のところ、社会的信用など正社員でいるメリットは多いと思う。でも、大手企業でさえ大胆なリストラを敢行する時代。「会社が守ってくれる」と思考停止していると、路頭に迷ってしまうことになるかもしれない。正社員としてヌクヌク仕事をしている人よりも、個人として稼ぐ力を身に付けたほうが、かえって安定するかもしれない。
投稿主のように20代でしっかり自立しているのなら、「フリーターでもいいじゃん!」「好きに生きさせろ!」と言いたくなる気持ちもよく分かる。
ただ、投稿主が「(正社員になるのは)本気でやばくなってから」と書いている点は、ちょっと心配になった。表現が不安そうだし、掲示板でもツッコミがあったように、長年フリーターで過ごすと「あとから正社員にはなりにくい」のも事実だからだ。「正社員で浪費したくない」という表現からしても、正社員=浪費と決めつけていそうな気もする。
実際のところ、こんな相談をすること自体、投稿主には不安があるということだろう。自分が30代、40代になった時のことを想像して、お金はどれぐらい必要なのかとか、その額を稼ぐ力が自分には身につくのかとか、将来のあれこれをシビアに考えてみたらいいかも、と思う。そうやって見通しを立てられたら、外野の声に惑わされずに、もっと自信を持って生きられるんじゃないだろうか。