結婚後も働き続ける女性が多い現在、結婚前にいちいち「働く?働かない?」と聞くのも野暮な気がするが、専業主婦を理想とする人も多い。ガールズちゃんねるに6月下旬、「共働き前提でも結婚した理由を教えてください」と問いかけるトピックが立った。
27歳の独身女性であるトピ主は、一人暮らし歴9年の会社員で「結婚について迷走中」とのこと。
「幼い頃は、お嫁さん(専業主婦)になって庭付き一軒家に旦那と子ども2人と犬と暮らすのが理想でした。今の時代では理想が高すぎるのも理解しています……このままだと一生結婚出来ません……」
などと綴り、共働きの妻たちに経験談や、「現在幸せかどうか」を訊ねた。(文:篠原みつき)
「逆に『専業主婦で頼む』って言ってくる相手とは結婚しなかった」
つまりトピ主は専業主婦に憧れているが、いまは共働き前提の結婚が主流であることを痛感しているのだ。問いかけには、共働きの女性たちが次々とコメントを寄せている。
「もともと結婚しても働きたかったから。逆に『専業主婦で頼む』って言ってくる相手とは結婚しなかったなぁ」
「仕事が好きだから。今結婚3年目、子どもを保育園に預けてフルタイムで働いてる。お金にも余裕があるし、特に不満はないです」
そもそも仕事が好きで働きたかったという人が多く、経済的にもそのほうがいいとする声が目立った。「むしろ専業主婦って自分にとっちゃ地獄だわ」とまで書く人もいるように、家事や育児が得意な人ばかりではない。
現状に満足しているコメントを見ていくと、夫が家事・育児に協力的、またはズボラな家事に文句を言わないなどの特徴が見られた。できる人ができることを、柔軟に協力し合えることが、上手く共働きの結婚生活を回していくコツであることもうかがえた。
中には、「彼氏のこと好きだったしいざとなったら私が養えば良いと思ったから」など、彼氏を愛するがゆえという声も。
「夫はいつでも辞めていいって言ってくれるけど、私が辞めたら夫は何があっても仕事辞められなくなる。愛する人にそんなストレス与えるほうが嫌」
うつになるほど仕事で追い詰められる男性も少なくない中、泣いて喜ぶ人もいそうなセリフだ。そう言わせるくらい、いいパートナーシップを築けているのだろう。
「共働きでも」という言葉に苦言も
一方で、「共働きが良い」といっても、理由は「リスク回避のため」とする冷静な声もある。
「専業主婦だと簡単に離婚もできないって自分の親見て知ってたから」
「辞めるというのを考えなかった。私は父親がある日突然亡くなり、専業主婦の母親が苦労したのを見てたから…」
親を見ていて経済的な自立をしていない専業主婦はヤバイと感じた人は、「働かないという選択肢がない」といった雰囲気だ。
他方、「共働きでも、ってタイトルどうなの…専業の方が偉いような、誰でも専業を望んでる前提のような…」という批判もある。トピ主の夢が専業主婦であるがゆえの言葉だが、もちろんどちらかが偉いわけではない。「生活のために共働きせざるを得ない」という世帯が多いことはもちろんだが、働くのが好きで、経済的にも余裕が持てるため共働きを選ぶ世帯も少なくないのだ。
こうした意識は、内閣府・男女共同参画の調査にも表れている。「『夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである』という考え方に対する意識」は、1992年では「賛成・どちらかといえば賛成」が60.1%と半数以上だったが、2009年の調査では、賛成派が41.3%に減少、反対派が55.1%と逆転している。専業主婦に憧れるのは自由だが、時代とともに人々の意識は変わっているようだ。