孫のもとに最期のお別れに来た祖母「気配が温かく思えた。まるで頭を撫でているように感じた」
【みんなの心霊体験】幽霊にはおどろおどろしく気味が悪い印象があるが、なかには亡くなった親族や知人などが現れた、という経験を持つ人もいる。もし親しい相手が、亡くなる前や死後に会いに来てくれたら、恐怖よりも嬉しい気持ちになるかもしれない。
今回は、30代女性(専業主婦)がキャリコネニュースに寄せてくれた祖母との不思議な体験を紹介する。(文:コティマム)
後部座席にいたはずの祖母「振り向くと誰も乗っていない」
女性は時々「ぼやっと黒い人のような何か」を見たり、金縛りにあったこともあるという。自身は「霊感がある訳ではない」というが、第六感は働くようだ。そんな女性だが、幼い頃から病弱でよく学校を休んでいた。共働きで母親があまり家にいなかったため、祖母がよく面倒を見てくれたそうだ。「母よりも祖母が大好きだった」というほど、”おばあちゃん子”だった。
女性はそんな大好きな祖母に関して、何度か不思議な体験をしている。
「祖母がまだ生きていた頃、私が中学生の時です。当時祖母は体が悪く寝込んでいたのですが、ある時私の塾のお迎え時に、母の運転する車の後ろに乗って一緒に来ていました。しかし、祖母に話しかけようと後ろを振り向くと誰も乗っていない。母に聞くと『一人で迎えに来たよ』と……」
車の後部座席に確かに見えたはずの祖母の姿が見えない。実はこの体験は二度あったという。
「一度目に見た時の祖母の服装は、白装束のような着物姿。二度目は黒の喪服のようでした」
何か意味のありそうな服装だが、特に祖母の身に何かが起こった等ではないという。体調が悪いながらも、孫のお迎えについて来たかったのだろうか。それから年月が経ち、祖母は女性の妊娠発覚と同時期に亡くなった。
ゆっくりと近づく気配「まるで祖母の歩き方そのものだったのです」
女性は当初、祖母が亡くなる前に妊娠を報告しに行く予定だった。しかし周囲からは「妊婦は死人に会ってはダメ」と言われ、葬儀にも火葬場にも行けないまま、最後のお別れもできなかった。
しかし、葬儀の間に一人留守番をしていた女性は不思議な体験をした。
「火葬時間は昼の12時頃だったと思います。私はこたつに入りながらウトウトと寝てしまっていました。するとガラガラっと、玄関が開く音が聞こえました。頭の中で『あぁ、母がもう帰って来てくれたのかなぁ』と思いながら、そのまま寝ていました。母も私が寝ているので、気を遣って起こさないでいてくれていると思っていました」
しかし女性は、母だと思ったその気配に何か違和感を感じたという。
「玄関の方から聞こえてくる足音は、まるで祖母の歩き方そのものだったのです。祖母は片方の足を骨折してから、片足を引きずるように歩いていました。ゆっくりゆっくりと気配は近づいてきました」
女性は起きようとしたが、体が重く起きあがれず、目も開けられなかった。
「その間にも気配はこたつの周りをゆっくりゆっくり歩き、私の方に近づいて来ます。ついに頭の方に来て、頭の横に座りました。私の寝ている顔を覗き込み、見ている感じがしました。その瞬間、ガラガラっと玄関が開いて『ただいまー』と母の声が聞こえました。と同時に気配はなくなり、目が覚めました。母は妊婦の私が一人で家にいるのが心配で早めに帰ってきたようでした」
女性はこの体験を、「祖母が最期のお別れに来てくれたのかもしれない」と感じている。
「あの体験は、不思議と怖いようで怖くはなかったです。私の頭の横に座った祖母の気配が温かく思えたからです。まるで頭を撫でているように感じました」
きっと妊娠報告できず落ち込む孫のもとに、祖母が最期に会いに来てくれたのだろう。女性は今、二児の母となり子育てに奮闘中だ。
「会えるのであればもう一度祖母に会いたいなぁ。ひ孫を見せてあげたいなぁ。そんな事を考えながら慌ただしい日々を過ごしています」
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