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「語学留学の残念パターン」に気をつけて 国内でも英語が話せるようになる方法はある?

短期留学だけで英語力が劇的にアップする、ということはあり得ません。

昨年来のコロナ禍で「留学」を希望している人には厳しい状況が続いていますね。この記事をお読みの方の中にも、「本当は社会人留学したいと思っていたけど、ちょっと今は…」なんて思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、「国内学習だけで、TOEIC 980、英検1級」を取得した私が見た「語学留学の残念パターン」と、「留学しなくても英語が話せるようになる方法」をお伝えします。

「残念パターン」とは?

ひとことで留学と言っても実はいろいろ種類があり、目的によって大きく2つに分けられます。

1つ目は「学位を取るための留学」。社会人の場合だと、MBAを取得したいなど、海外の大学院で1年、2年と学ぶというケースです。目的はあくまでも「学位取得」なので、英語はできて当たり前、できないとそもそも合格できないという本気の留学です。

2つ目のケースがいわゆる「短期留学」「語学留学」です。1週間程度の短期から数ヶ月、1年など、長期旅行の感覚で留学体験ができるというので人気がありますね。ですが、私が「残念パターン」になってしまうケースがあると思うのは、この「短期留学」「語学留学」なのです。

せっかく留学したのに周りが日本人だらけ

まず、あなたが短期留学・語学留学したいと思った時、どうやって留学先を探すでしょうか?おそらく検索エンジンで「短期留学 社会人」とか「語学留学 国名」で検索しますよね?その時、検索に使う言語は「日本語」で検索してしまっていませんか。

そうすると、検索結果に出てくるのは「日本の留学エージェント」の情報ばかりとなります。つまり、日本人をたくさん受け入れてくれる留学先ばかりが紹介されたサイトに行ってしまうということです。

実際、留学先についてみたら周りは日本人ばかりで、クラスを一歩出たら日本人とばかりつるんでいたという残念な話も聞きます。せっかくお金を払って留学したのに、英語を話したのは授業中だけだったということになりかねません。

どうせ行くのなら、本当に世界各国からの留学生が集まるスクールに行きたいですよね。検索の際のキーワードを英語にする、あるいは特定の地域に絞って語学学校を検索するなどの工夫をしてみてください。

留学エージェントを使うのではなく、日本語のウェブサイトがない現地のスクールに、自分で英語で問い合わせをするということです。それができないレベルならば、まだ留学はしなくて良いと思います。

短期留学では英語力はたいして上がらない

「語学留学すれば、英語が話せるようになるはず!」と思っている方には残念なお知らせですが、短期留学だけで英語力が劇的にアップする、ということはあり得ません。

例えば、1週間の語学留学に行くとしましょう。スクールの授業が1日7時間程度として、週末は休みだと想定すると、実際に語学留学中の授業時間は「35時間」ですね。たったの35時間、です。スクールによっては、フリータイムに話せる先生がいたり、授業以外のアクティビティが充実しているところなどもあるでしょうが、それでも英語に触れる時間は、せいぜい数十時間プラスになる程度ではないでしょうか?仮に、寝る間も惜しんで勉強したとしても、1週間の滞在では100時間も英語に触れられるかどうかですね。

実は、日本人が英語を話せるようになるのに必要な学習時間については諸説あり、2200時間程度という説もあれば、大学卒業後さらに「2800時間程度」が必要、とも言われています。(参照元:「日本人の英語学習時間について」 坂田 浩・福田 スティーブ、徳島大学国際センター・文教大学教育学部)

もちろん、学習効率は、単に「時間」の長さだけでなくその時間をどのように過ごすか、にもよりますので、もっと短い時間で話せる人もいれば、もっと時間をかけたのに話せない、という人もいるでしょう。

いずれにせよ、短期の海外留学だけでは話せるようになるレベルには到達しない、ということです。

日本にいながら英語が話せるようになる方法

それでは、どうしたらいいでしょうか?

私がお勧めしたいのは、まず日本にいながらできることをしっかりやることです。その上で、どうしても語学留学、短期留学をしたいのならば、自分で英語で問い合わせして留学先を探してくることです。

日本にいながらできることというのは、例えばこういうことです。

海外ニュースサイトをチェックする、普段日本語で書いているメールを英語で書いてみる、オンライン英会話でいろいろな国の先生と話してみる、海外の人と繋がれるサイトで「メル友」を募集してみる、英語でブログやSNS投稿をしてみる、自分のレベルにあったリーディング教材で多読をする、英語のセミナーやウェビナーに参加してみる、日本にある海外の大学の講義に参加してみるなど、実は日本でできることはたくさんあります。

ちなみに、上記は、私が社会人5年目で、英語の勉強を本気でやり直ししようと決めた時に試してみたことです。これらを全部やってみたことで、私の社会人になってからの通算英語学習時間は軽く3000時間を超えています。つまり、学生時代の学習時間も合わせると「4000時間以上」は英語に触れていることになります。そう、日本人が話せるようになる基準とされている「2800時間」をクリアしているわけです。

日本にいながらできることをやって「2800時間」を突破すれば、おそらく仕事上のやりとりや日常会話には困らない状態になっていることでしょう。それでも語学留学にチャレンジしたいというのであれば、自分が行ってみたい国、住んでみたい街に語学学校がないかを検索すればいいのです。そのレベルであれば、語学学校ではなく自分がやりたいことを英語で学ぶことができるようにもなりますし、留学エージェントを使わなくても自分で英語で交渉することができるレベルになっているはずなので、短期留学であっても、きっと実りの多いものになるでしょう。

筆者近影

そのはた ちえこ

【プロフィール】
そのはたちえこ
ビジネス英語トレーナー。外資系企業でのマネジメント経験を活かした、現場目線でのビジネス英語講座が好評。モットーは、「ビジネス英語は、”中学英語+αで十分!”」。2021年より株式会社マーケティングフルサポートにて「オンライン英語コーチの学校」の講師を担当。

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