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【人手不足なのに……】外国人留学生で就職決まるのは希望者のうち3割程度 個性求めつつ「日本語できて当然」などの壁

日本で就職したい外国人留学生は増えているが、希望者のうち、なんと3割ほどしか就職できていないという。11月17日放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)が、外国人留学生の就職活動の現状を伝えた。

日本で学ぶ外国人留学生は年々増加しており、2016年には24万人にものぼっている。人手不足に苦しむ日本企業は新たな働き手として大きな期待を寄せているが、彼らは日本特有の「いくつもの壁」にぶつかっていた。(文:okei)

「新しい風を入れてくれる」「日本語が完璧な人材」を求める企業

留学生に多くを求めすぎでは?

留学生に多くを求めすぎでは?

11月半ば、パソナグループが開いた外国人留学生のための合同説明会には、過去最高の39社が参加。留学生も800人が参加する盛況ぶりだった。

ある参加企業(飲食)の担当者は、「日本人にないような、自分の意見をガンガン言うような」人材を求めていると語る。

「社内の意見の交流が活発になって、そこから新しい意見が生まれる。外国籍らしさを持っている学生が欲しい」

しかし別の企業(観光業)は、「やはり日本語ができないと、社員とのコミュニケーションが難しいので、そこが大前提」と条件を示す。当の外国人留学生たちからは、こんな声が聞かれた。

「一番難しいのは日本語ですね」(ベトナム・女性)
「エントリーシートを記入するとき、何書くか分からない人もけっこういたんですよ」(ネパール・男性)

「企業から求められる日本語能力の高さ」を、高い壁と感じているようだ。いくら日本で学んだとはいえ、いきなり日本人並みの会話・文章力を求められても戸惑うだろう。

「情報が分からないです」と話した中国人留学生は、代表的なナビサイトを例に挙げ、「たぶん日本人向けのナビなんですが、外国人に対してはちょっと使いづらいです」と明かした。日本の就職活動は仕組みが独特な上、外国人向けサイトも少ないことから情報が集めにくいのも就活を難しくしている。

「リクルートスーツ着ている留学生たちに違和感」

「日本企業の体質を全く知らずに来る(学生として学ぶ)人もいる」という問題もある。「昇格のスピードなど、海外の方は30歳で独立と思っている人も多いですが、そういったスピードにはならないですよね」など、意識のずれを明かす参加企業もあった。

晴れて就職が決まっても、国が定める条件に合わず「就労ビザが下りない」ことも少なくない。今のところ、外国人留学生たちを上手く採用できているとはいえないようだ。

説明会を取材した大浜平太郎キャスターは、「留学生の皆さんが日本人みたいにリクルートスーツ来てるんですよね」と驚きを語る。

「企業側が、日本人にはない個性を求めると言いつつも、でもやっぱり日本人的なものを望んでいるところもあって、留学生の皆さんもそれをなんとなく受け入れて。お互いにどこまで個性をだしていいのか探ってるような…」

などと、違和感を吐露していた。確かにVTRを見た限りでは、企業は優秀な即戦力として「仕上がっている」外国人の学生を採りたがっているように見えた。気持ちは分かるが、いくら優秀といっても母国を離れて心細い中頑張っている若者ということを、忘れずにいてもらいたい。

コメンテーターの入江章栄氏(早稲田大学ビジネススクール准教授)は、「日本企業が戦略を立てて、それにかなった人材を(育成を含めて計画的に)入れることが重要」と指摘していた。「人が足りない」だけで留学生に目を向けるのは、彼らに対して失礼ということだろう。

※ウェブ媒体やテレビ番組等で記事を引用する際は恐れ入りますが「キャリコネニュース」と出典の明記をお願いします。

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