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「自転車のヘルメットをかぶりたくない」不登校の中学生がそう語った理由

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”平日の日中に小学生や中学生が自転車に乗っている”

この状況を見てどんな風に感じますか? 人が多い都心部では「今日は学校お休みかな?」と思うくらいで、特に大ごとになることはあまりないのかもしれません。その一方で、人が少ない地域であればあるほどそれは異様な光景として映り、「あの子は学校に行っていない」「親のしつけが悪い」などと町の噂になるほどです。

例えば僕の娘は集団登校で学校へ行くことに苦痛を感じる気質があり、一人で歩いて登校しているととても目立ちます。なので、「なぜあの子は集団登校で行かないんだ」「我慢しなさい」という圧力を感じたこともありました。慣れるまでは「うちの子だけ恥ずかしい」というような声が身内からも出るぐらいでした。マジョリティと違う子どもたちへの視線は地方と都会でだいぶ違うのです。(文:ちば つかさ)

目立つがゆえに外出時に困ることも

僕は今、行政の不登校支援センターで学校にいけなくなった子どもたちと関わっています。子どもたちは人の少ない地方では”目立つ”存在です。目立つがために外に出たときに困ることもあるようです。

先日、不登校の中高生と日中一緒に活動しましたときのこと、中学生の男の子が帰宅の際「自転車なんだけどヘルメットを被りたくない」という話をしてくれました。地方では学区が広いため、自転車通学が認められていて、通学時は安全のために学校名が入ったヘルメットを被ります。

そのため、平日の昼間に中学生が自転車に乗っていると目立ちます。下手をすれば「〇〇さんの家の〇〇が昼間に自転車に乗っていた」と近所で噂になりかねません。だから「被りたくない」という思うわけです。

噂になったとしても、周囲に自分を肯定してくれる大人がたくさんいれば怖くないのかもしれません。しかし実際はなかなか難しい。子どもが学校に行っていないと親にも注目が行くし、中にはそんな子どもを隠そうとする親もいます。それで引きこもりがさらに進む、ということもありえるでしょう。

何かと多様性が話題にのぼる昨今。昼間に自転車に乗った中学生を見た時、それをどう受け止めるのか。その違いで生きやすい場所なのかどうなのかが決まるのではないでしょうか。

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【筆者プロフィール】ちばつかさ

著者近影

著者近影

合同会社komichi代表。柔道整復師、メンタルケア心理士、心と体のコーディネーター、元プロ野球独立リーグ選手。東京と福井で投げ銭制の接骨院を運営しのべ10万人近くの心と体に向き合ってきた。野球経験とコーチングの経験を活かし都内で「野球を教えない野球レッスン」を運営。レッスン卒業生がU12侍ジャパンの代表に選出された。現在、公認心理師を目指しアラフォーで大学在学中。児童相談所夜間補助員で三児の父。

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