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『どうする家康』北川景子の“お市”退場回が予想以上の出来 なぜこんな感じでもっと早くやれなかった!

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大河ドラマが好きだ。なので物心ついてから、サラリーマン時代とかバイトの夜勤だった時期を除いては基本的に在宅中のリアルタイム視聴を心がけてきた。大河って大半はクオリティが高い脚本ばかりなんだけど、中には「はぁ?」となっちゃう作品もある。

今年放映されている『どうする家康』に関しては、この「はぁ?」の度合いがやたら多い。それらの愚痴についてはほぼ毎週のようにこちらで吐き出してきた次第。ところが8月6日放送の第30話「新たなる覇者」はちょっと毛色が違った。

今回の主役は実質、お市の方(演:北川景子)。織田信長(演:岡田准一)の妹として、序盤から登場する。やがて浅井長政(演:大貫勇輔)の嫁となるもその浅井を信長が滅ぼしてしまう。これは「信長包囲網」に浅井が加わっていたから仕方がない措置であり、お市もそのことは認識していた。
ちなみに長政との間には3人の娘をもうけていて、浅井の血を残すことには成功している。

そして最新話ではお市と並んで長女の茶々(演:白鳥玉季)が主役を張っていた。(文:松本ミゾレ)

亡き兄と同じ衣装で挑む秀吉戦

以前の放送で、伊賀越えに挑む羽目になる家康の前にも姿を見せていたお市。本作での登場回数はそう多くないものの、浅井長政のように実質1話退場のキャラも多いことを考えれば、かなり重要な立ち位置を占めていた。

今回の放送では、羽柴秀吉(演:ムロツヨシ)の元上司にあたる柴田勝家(演:吉原光夫)の妻となっている。そして史実通り、秀吉と勝家は織田家の命運をかけて対決することになるが、積極的に織田家の乗っ取りをたくらむ秀吉と、そうはさせまいとするお市の、信長の妹としての矜持が協調された作風になっていた。

実際のお市がそういった思想を有していたかは定かではないのであれこれ言うのも野暮なので、これはこれでいいと思った。なにより、終盤では美しい打掛ではなく、兄・信長が初期に着用していた衣装と同じものをお市が身にまとって、実質的な総大将として毅然と振舞う様は単純にかっこよかった。

「北ノ庄城の戦い」で完全に秀吉軍に包囲され、命運尽きた際に勝家だけでなく、お市も自害を遂げるというのも史実通りだが、直接そういうシーンは見せずに城が焼け落ちる様子で表現したのも良かった。そして彼女の娘たちは、秀吉の本陣に連れて行かれ……。

茶々役の子役の演技が異様に上手くてつい見入ってしまう…

秀吉の下に向かうことになったお市の娘らのうち、もっとも出番が多いのが茶々。母親との今生の別れでは、救援を寄越さなかった家康(演:松本潤)への呪詛を吐き、本懐を果たせないまま散る覚悟のお市に「茶々が天下をとります」と宣言。まさに「先帝の無念を晴らす!」と言う奴だ。

そうして“織田家の血筋”を切望する秀吉に見初められるや否やすぐに微笑み、その手を取って誘惑してみせ、ここまで一環してつかみどころのない人たらしとして演出されてきた秀吉が初めてたじろぐ始末。この一連の流れはお互いの顔のアップが短時間で切り替わるため緊迫感も相当なものだった。

思わず「こういうことが出来るなら最初っからやってよ」と思っちゃった! 茶々はこのまま秀吉の側室となり、やがて淀君と呼ばれるようになると豊臣政権下でも絶大な権力を振るうようになる。秀吉に取り入り、宣言通り天下をとったと考えてもいい。

さらに本作の茶々は母親を助けることをしなかった家康にも、恐らくこのまま憎しみを抱くものと思われる。家康にとって生涯最後の戦になるのが、この茶々が秀吉の子・秀頼を総大将として反抗する「大坂の陣」だ。

本作が家康の晩年まで描くのであれば、まさしく茶々が家康にとっては最後の強敵として描かれるんだけども、変に伏線とか設けずに、直球でラスボスの誕生を描いた回として見ると、これほど導入がしっかりしている話もないと思った。

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