求人媒体経由の集客は下降トレンド。今すぐTikTokLIVEでスタッフ集客を始めたほうがよいこれだけの理由
人材紹介会社・派遣会社にとって、候補者の集客やスタッフ採用は経営の生命線である。時代によって求人広告媒体、ネット広告やSEOと集客ルートは変遷してきた。昨今ではSNSを使った集客にチャレンジする企業も増えてきたが、更に最先端の集客手段ではTikTok及びTikTokLIVEを使って候補者募集を行う企業が現れ始めている。そのような中でTikTokLIVEを使って候補者集客やスタッフ採用を行っているfreemova社マーケティング責任者の小森氏にその取り組みの背景や実施後の成果と手ごたえを、TikTokLIVEクリエイターのトップクリエイターである桜川シュウが聞いた。
TikTokありきではない、「自社オウンドメディア経由の集客を増やしたい」がスタート
――どのような課題感からTikTokLIVEによる募集を開始されたのですか。
弊社のような人材紹介や派遣事業を行っている会社は、常に人の募集を強化しなくてはいけません。一般的な募集手法としては求人媒体に掲載し、応募を募るという手段がありますが近年その応募総数や費用対効果が悪化してきていることをデータでも肌でも感じていました。できるだけ自社の特徴や制度等を知っていただき、理解してしただいた上での応募を集めたいと思っていました。そのための手段としてオウンドメディアを運営していこうという計画がありました。
TikTokはその延長戦上にあり、たまたま自社に応募してこられた方で「ライバー経験がある方」がいらっしゃったので、TikTokLIVEもチャレンジしてみるか、という感じで始めました。
――ライバー経験者が採用できたのであれば、すぐに立ち上がったのでは。
それが、全くそうではありませんでした。本当に初期のころは試行錯誤の連続でした。理由は明確で、一般のライブ配信は「視聴者に好きになってもらいギフト等で応援してもらうことがゴール」ですが、我々のような人材会社がライブ配信をする目的は「自社のことを知ってもらい、ファンになってもらう」だけでは終わらず、その先で「応募してもらい、人材紹介サービスの提供の承諾または内定受諾」までたどりつかないと意味がないからです。ゴールが一般のライブ配信よりもかなり遠いため、ライバーを雇ってただ採用情報のライブ配信をやってもうまくいかないのは目に見えていました。
――具体的にはどのような試行錯誤があったのでしょうか。
まだ試行錯誤中という前提ですが、「ファンになってもらう役割」と、「人材紹介サービスや自社採用の応募に興味を持ってもらいそのネクストアクションへ促す役割」は違うということを認識するところからが始まりでした。その両方をひとりのスタッフが担うのはかなりハードルが高いと現時点では感じています。
ひとりのライバーがファン獲得とサービス誘導の両方を担うことも理屈上は可能ですが、弊社では役割分担でチャレンジしており、役員や営業スタッフがライブ配信に同席してサービスの説明や質疑応答に対応するようにしています。
役割分担のほうが、効果が高いのではと現時点で考えている理由としては、案内する内容が「転職支援」または「弊社の社員として働く勧誘」ということもあり、比較的「重い意思決定」であるからです。その為、ある一定の「権威」や「納得性」がないとこの会社のスタッフに転職について相談してみよう、正社員として入社検討してみようにはならないと思っています。
――役割を分担したライブ配信による効果は。
TikTokのショート動画だけで運営していたころは自社スタッフの採用に至るのは月に0~1名という状態でしたが、今はライブ配信も行うようになり、役割分担も徐々に慣れてきたこともあってライバーと社員や役員が同席して配信が定常化しました。その状態で月間5名以上はコンスタントに登録頂けるようになってきました。手ごたえは感じています。
――次にチャレンジされようとしていることは。
認知ですね。知っていただく「母数」の拡大です。知っていただけさえすればサービスや自社採用に一定の確率でつながるということは分かりましたし、母数さえ増えれば費用対効果ももっと改善していくと考えています。
具体的には「アカウント数の増加」×「配信時間の拡大」で認知を拡大していきたいと考えています。もちろんショート動画も併用します。アカウント数については配信できるライバースタッフがいないと増やせないのですが、幸い現時点でも3名まで増員することができました。配信時間の拡大については「12時~13時、16時~19時」としていたものをこれからは朝8時から24時ぐらいまで交代制でチャレンジしてみようかと思っています。
自社のスタッフ採用だけでなく「コンサルティング+派遣の提供価値」を見据えて
――freemovaの配信を見て、他社もこれでいいなら真似してみようとなりませんか。
是非真似してみていただきたいです(笑)。非常に大変です。マニュアルや教育だけでは何ともならない部分が現時点ではおおきいです。ライバー本人のもともとの素養に加え習熟が必要だなと感じています。また、リアルタイムでコメントを読んだり回答したりする為、一定の教育を受けた上でライブ配信を実施しないと、気軽にやると炎上リスクがあると感じています。
また、単純にライブ配信に慣れていないと誰からもコメントが無い「無言の時間」に対応できないと思います。弊社では何か月も前から動画の投稿を継続的に行ったり、ライブ配信の固定ファンもついている為コメントが無い時間というのはほとんど発生しませんが、そこまでのアカウントに育つまでの忍耐力はかなりの必要だと思っていただいたほうがよいです。
――最後にfreemovaの配信を見てくださっている方に一言。
弊社では総合的な人材サービスを行っております。転職の相談から派遣の仕事探しまでなんでもお気軽に相談ください。法人様に関しては、派遣スタッフのお問合せや採用コンサルティング含めてこちらもお気軽になんでもご相談ください。特にTikTokLIVEを通じたライブ配信による採用活動についてはコンサルティングだけでなく、教育したスタッフのアサインも含めてご提案が可能です。
freemova
TikTokアカウント
https://www.tiktok.com/@freemova_cp/
採用ホームページ
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桜川シュウの「Creators eye」
TikTokLIVEのライブ配信を通じた採用活動はまだまだ取り組み事例が少ない中でfreemova さんはその最先端でPDSを回し続けている姿勢が印象的でした。インタビューでもあった通り、ひとりのライバーがファンづくりから最後の誘導までやるのか、それともファンづくりに徹して誘導は別の社員が役割分担でやっていくのかという体制議論については今後も両方のパターンの企業様がでてくると思います。少なくともライバーという職業はまだ始まったばかりなので今後「ライブ配信×採用」がブレイクする際にはfreemova さんのような先を行っている人材サービス企業が顧客に対して付加価値を提案できるんだろうなと感じました。