資産1億円超!年収1300万円でも限界まで節約する40代男性「電車賃がもったいないので片道10キロなら走って行く」
高収入でも貧乏性で極限まで切り詰めている人は意外といるものだ。東京都に住む40代半ばの男性は年収1300万円で、1億円を超える資産があるにもかかわらず、
「友人と飲むときに、電車賃がもったいないので片道10キロなら走って行く」
「出先で飲み物は買わないように、水筒は必ず持ち歩く。忘れた時は公園で水を飲む」
「自販機やコンビニは絶対に使わない、子どもにもそのように教育してる」
といった徹底した節約ぶりを投稿してくれた。編集部は男性に取材を申し込み、普段の生活ぶりについて詳しく聞いた。
新卒のときから生活費を変えず、余ったお金はすべて貯金と投資に
男性が披露した節約エピソードの中で、最も衝撃的なのは「電車賃節約のために片道10キロなら走る」というものだろう。一体どのくらいの時間がかかるのか。
「1時間程度かかりますが、飲み会でカロリーを多く摂取する分を消費できるので健康的だと考えています。最近は在宅勤務が多く、会社の行き帰りも歩かないため、その分歩いて健康を維持しないといけないと思っています」
節約しながら運動できて一石二鳥だと男性は言いたいのだろうが、共感できる人は僅かだろう。
1億円を超える資産をどのように貯めたのだろうか。
「基本的に新卒で今の仕事に就いてから生活費をほとんど変えることなく、余ったお金はすべて貯金・投資に回してきました。新卒のときの生活費は12万円くらいで、現在は15万円です」
と堅実さが窺える答えが返ってきた。ちなみに現在の生活費15万円の内訳は、ローン返済7万円、管理費2万円、光熱費2万円、通信費は携帯2回線分で0.2万円、その他がお小遣いでたまに外食するときに利用しているようだ。それ以外の食費、日用品、子どもの習い事などの費用は妻が月8万円程度を払っているという。
1億円超の資産形成についてさらに詳しく聞いた。
「30歳では現預金のみで1000万円ありました。投資などはやっていませんでしたが、新卒から財形貯蓄を利用したこと、それ以外にもボーナスなどは基本手を付けずに貯金してました」
その後36歳から個別株で投資デビューするも、「勝ったり負けたりで資産増加にはならず、自分には株の才能はない」と判断した男性。
「そんなとき本屋でたまたまインデックス投資の本に出会い、40歳のときからインデックス投資(S&P500、オール・カントリー)に切り替えました。当時の資産は3300万円で、このうち500万円ほどあった個別株を処分しながら、さらに投資信託を買い増して現金比率を思い切って下げていきました。一時は含み損がマイナス300万になりましたが、コロナショックとその後の急激な株高の波に乗れたことが資産形成には大きかったです。現在は年に600万程度は投資に回しています」
こうして貯めた1億円超の資産のほかに、持ち家もある。10年ほど前に4500万円で購入したマンションにはローンが1000万円残っているものの、今年の年末調整で住宅ローン減税が10年目となり終了となるので、年明けに一括で完済する予定だという。
高収入で十分な資産がありながら、男性がこれほどの節約に走る理由は何なのか。高所得者の中には、高収入を維持し続けることへの不安から節約志向になる人もいると聞く。
しかし男性は大手電機メーカーの正社員。かなり安定したポジションだ。会社ではシステムエンジニアをしており、年々増えるサイバー攻撃に対応すべく「ITセキュリティを設計・実装する仕事をしています」と、仕事にあぶれる心配はなさそうに思える。それでもこの切り詰めぶりとなると、骨まで染み付いた習慣といったところだろうか。
「水筒を持ち歩く」は母親から受け継いだ習慣
男性は貧乏性になった理由を「母の影響」と分析する。実家の経済状況はどうだったのだろうか。
「実家の経済状況は普通の家庭だったと思います。ただ、私の母はかなり裕福な家庭に生まれたのですが、祖父母が悪い人に騙されて資産の大半をなくしてしまい、幼少期はかなり厳しい状況だったと聞きました。そのため私の母はかなり倹約志向が強く、その姿を見て育った私はその考えが受け継がれたのだと思います」
母親の倹約ぶりで印象的だったものを尋ねると、
「母が服を買ったのを見たことがありません。母はいつも、私や弟の学校でそろえたジャージなどを着ていました」
と、男性と弟の「お上がり」のジャージを着ていたという。
「実家での外食の記憶はないです。外出の際には必ず水筒とおにぎりを持って出ていました。旅行は一度もありません。ただ夏休み、冬休みには里帰りで長野や房総に行っていましたので、旅行がなくても特に不自然だとは思っていませんでした。祖父母に会えるのはうれしかったですし」
男性が「水筒を必ず持ち歩く」「自販機やコンビニを使わない」のは母親の影響であることがわかる。また男性は自身だけでなく、小学生の子どもたち2人にもそう教育しているというから、母親の教えは孫の代にも受け継がれて行くのだろう。
一番効果的だったのは倹約家で美人の妻と結婚したこと
男性が心ゆくままに節約を続けられるのは、2歳年上の妻の存在が大きいという。
「妻も倹約志向が強く、物欲は全くないですし、服なども少なくミニマリストです。私の人生で一番効果的だった蓄財は倹約志向の奥さんを見つけたことだと思います。それに美人です!」
おまけに栄養士で料理上手という自慢の奥様だ。たまには外食もするが、節約には自炊が重要で「家での食事がいつも楽しみです」とのろけながら、男性は持論を熱く語った。
「私と同じ金銭感覚の人はなかなかいないと思いますが、妻は私の考えに無理なくついてきてくれます。これはありがたい。浪費癖の強い人は男女問わず多いですので、これはかなり大きいと思います。お金を使わなくても、幸せに感じられることを共有できるのは素晴らしいと思っています」
たしかに、いくら貯めようとパートナー浪費家なら虚しくなるだろう。価値観が同じことで良い循環を生んでいるようだ。
インタビューの最後に、男性は「実は、お金を使うことに対して非常に恐怖心がありました」と明かす。資産が1億円超に増えたことで恐怖心が少しずつ和らぎ、「給料で入ってきた分くらいは全部使ってもいいかも」と思い始めたようだが……。
「でも結局は今までのスタイルを変えることができず、倹約生活をしています。今後もきっとこのままでしょう」
キャリコネニュースでは「お金はあるのに貧乏性の人」をテーマにアンケートを行っています。回答はこちらから。https://questant.jp/q/PIXKF66W