友人について行ったら勝手に「入信の儀式」スタート 「不安で言う通りにやるしかなかった」と恐怖を語る女性【前編】
宗教を信じるのは個人の自由だが、何も知らされないまま騙し討ちのような形で勧誘をされてしまうと、却って不信感が募ってしまう。茨城県に住む50代前半の女性(サービス・販売・外食/年収300万円)は、子ども連れで友人と会っているときに、そんな経験をしてしまったという。
女性は「だいぶ昔の話になります。私がまだ2人の子どもを子育てしている20代後半の頃」と語り始め、
「私は恐怖と子どもたちから離れてしまっている不安で、言う通りにお辞儀をしたり手を前に合わせたりとやるしかありませんでした」
と当時の恐怖を振り返った。それは、「職場で知り合った2歳年下の友人」に誘われて出かけた先でのことだった。
「彼女たちの後ろにもう1人の女性が立っていました」
その友人とは「退職してからも仲良く連絡のやり取りをしたり、彼女が1人目の子どもを出産してからもお下がりをあげたりととても仲良かったと思います」と回想する。女性は夫の仕事の関係で地元を離れたが、「彼女とは帰省の際には必ず家族で会う事に」なっていたという。
ある正月の帰省の際も、2人の子どもと「楽しみに」その友人宅を訪れることになっていた。ところが、「彼女の長男が急な熱を出して休日外来へ行くと言う連絡」が入り、一旦は会う予定を中止する方向で話が進んだが……。
「なかなか会えないし相談もあると言われたので、会う事になりました。彼女の家に着くとちょうど病院から帰ってきところに遭遇。子どもたちも元気そうで、ホッとしました。しかし、彼女たちの後ろにもう1人の女性が立っていました」
見知らぬ人の登場に戸惑ったが、聞けば「裏のお家の方で、病院まで車を出してくれた」との事だった。当然「そこで女性とはさよならするのかと思った」が、なぜか一緒に友人の家でお茶をする事になった。
「なんか不思議な感じではありましたが、女性も子ども達とよく遊んでくれて、しばらくは楽しい時間を過ごしたのですが、女性が突然、そろそろ……と彼女と目配せをしたのです。彼女もそーね!と言いながら、『ちょっと良いところがあるんだけどよかったら一緒に行かない?』と言われて」
聞けば、出かける先が「実家の近くなこともあり」、子どもも連れて皆一緒に出かける事になった。
「おめでとうございます!…これにて入信の儀を終わります」
女性と子どもが連れて行かれたのは、「とある大きな建物」だった。「中に入ると無料でうどんを配ったり、小さな縁日のような雰囲気のお店がたくさん」あり、大勢の男女で賑わっていたという。子どもたちも「とても楽しい雰囲気なのでお菓子をもらったりで大喜び」していた。まるでお祭りのような雰囲気だ。そして……
「彼女が私に『子どもたちは私たちが見てるから』と子どもたちと離れ、別の階へ案内してきました。部屋に入るとそこは大きな座敷で等間隔に座布団が敷かれ、その一つに座るように言われ、座ったところで彼女は部屋から出て行きました」
子どもたちと離された上に、知らない場所に一人で置いて行かれてしまったのだ。当然不安は増していった。
「何が起こっているのか私には全くわからず、不安な気持ちになりましたが、後からも私のように案内されて入ってくる人が続々と…。ある程度人が部屋に入り座った頃扉が閉められ、数分後、前側の扉から1人の男の人が入ってきて『それではこれから…』と何かお祈りをするような雰囲気で話し始めました」
ここまでくれば、女性にもどんな場所なのかはっきりしたことだろう。男性が話を始めると同時に前面の壁が開き、「中からご本尊様と呼ばれる仏像のような何か」が出てきて、「前に立っている人の真似をするように」と言われた。
「私は恐怖と子どもたちから離れてしまっている不安で、言う通りにお辞儀をしたり手を前に合わせたりとやるしかありませんでした。ひとしきり終わったら、『おめでとうございます!これであなたも今日からご本尊様の元で守られる事になります。これにて入信の儀を終わります』と…」
このありさまに女性は「途中から分かってはいましたが宗教です」と失望した様子で書いている。友人を疑うことなく子どもを連れてきたのに、何も知らされず「入信」させられた形だ。さぞかし裏切られた気持ちになったことだろう。しかしもちろん、話はこれで終わらない。後編へ続く。
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【後編はこちら】勝手に「入信の儀式」に参加させられた女性 その後も友人から「バチが当たる。不幸になる」と電話殺到