必要最低限の仕事しかしない「静かな退職」という働き方をする人が、若者だけでなく、働き盛りの世代でも増えているらしい。関西の30代男性(年収600万円)もその一人のようだが、
「やりたい業務ができる施設に熱意を持って転職をし、みごと業務拡大に成功。微力ながらメンバーのマネジメントも行うようになった」
と、以前はやる気に溢れていた。それなのに一体なにがあったのだろう。(文:天音琴葉)
上司が「何もできない。何も言えない。何を言ってるのかわからない」
転職先でマネジメント業務を任されるまでになった男性。新規業務に無知な上司が、「お任せします」と匙を投げたことが背景にあったようだ。
「それはそれでよかった」と男性は感じていたが、上司について、「本心は拗ねているようなものだった」と、心に引っかかるものを感じた様子。すると、ここまで順調に回っていた歯車が徐々に狂っていった。
「そこから数か月経過し、上層部から上司がなぜマネジメントをしていないのか、と指摘が入り、何も説明のないまま業務を奪われた。そしてこの上司のマネジメントが酷すぎた。 何もできない。何も言えない。何を言ってるのかわからない。進捗管理はできない」
できない上司にマネジメント業務が移り、戸惑ったのは男性だけではなかった。部下たちが大量退職していったという。黙って見ていられなかった男性は、積極的に意見を言い、提案したが上司には全く響かなかった。そうこうしているうちに、
「さらに退職者は増え、いよいよ業務縮小。新規業務までもが手放さなければならない」
と見るも無惨な状態に。再び意見するも響かなかったため、「やや強い口調で言ってしまったが最後」という男性は……
「まさかの上司からパワハラで社内通報制度に通報し、パワハラの被告人状態に。コンプラ委員に弁明し、理解は示されたものの、このタイミングで全てのやる気は喪失」
「無駄なストレスもなくなり、30キロの減量にも成功」
相手が上司であれ、パワハラはもちろんいけない。大事にはならなかったようだが、会社のためにと行動したことがすべて裏目に出てショックを受けた男性は、「静かな退職」をすると決めた。現在の働き方について、次のように明かした。
「基本給のみいただく働き方に切り替え、資格を活かしてバンバン副業を実施。外でやりがいを見つけている状態。仕事では業務が終わればラウンジで仕事のふりをして読書や副業の資料作り」
副業可の職場ではこういう働き方もありだろう。また本業のほうは、働かなすぎは問題だが、必要最低限の仕事を行なっているならクビになる心配もなさそうだ。割り切って働くことで、「無駄なストレスもなくなり、運動習慣もつき始め30キロの減量にも成功」と、思わぬメリットもあったようだ。
「本業では可もなく不可もなくな働きかた。出世なんかどうでもよくなり、今日は何の本を読もうかなと。最高に幸せです」
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