フィットネスをハードに進化させた「鬼トレ」が人気 きつい運動でもかえって疲れが取れるらしい
いま、フィットネスをハードに進化させた「鬼トレ」が注目を集めているという。仕事帰りや出勤前のサラリーマンたちが、身体にムチ打って鍛え抜いているというのだ。
仕事で疲れ果てているのになぜと思いがちだが、むしろ「疲れをとるのが目的」だという。3月8日放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)では、このフィットネスの新潮流のアレコレを紹介していた。
軽い10分程度の運動でも、脳の機能が回復する
東京・赤坂のジムでは、仕事帰りのビジネスマンが汗を流している。健康意識の高まりから24時間営業のフィットネスは増えているというが、仕事で疲れている上に運動する理由は何なのか。30~40代のビジネスマンと思しき男性たちはこう話した。
「トレーニングした夜は熟睡できるので、逆に疲れが取れます」
「慣れてみたら、運動した方が次の日に元気が出る」
スポーツと脳の研究をしている筑波大学の征矢英昭教授に検証してもらうと、模擬面接でストレスをかけてから軽い10分程度の運動をすると、脳の機能が回復すると分かったという。柾矢教授は運動の効果を、こう説明する。
「ビジネスマンなどが皇居の周りを走っていますが、あの人たちは走ることで気分が前向きになって、仕事の作業能率が上がることを実感しているだと思います」
さらに普通のトレーニングでは飽き足らず、筋肉をとことん鍛え抜くのが「鬼トレ」で、代表格がアメリカ発祥の「クロスフィット」。10個の運動パターンを満遍なく行うトレーニングで、米軍の特殊部隊や警察も導入している。
「クロスフィット&ビューティー」で指導を行うのは、元K-1王者のニコラス・ペタスさんだ。ボート漕ぎの動きを再現した「ローイング」や、バーベルを引き上げる「デッドリフト」など、負荷の高い運動を休みなくみっちり1時間行う。
「1日1日達成感があるのはすごくいい」
カメラに映るのは、いずれも会社の中核でビシビシ活躍していそうな、精力的な雰囲気の男性・女性。出勤前にここに通う人たちは、メリットをこう話す。
「頭がスッキリするので、物事が早く解決する。頭の回転が速くなります」
「ビジネスでは毎日同じことの繰り返しで、なかなかゴールがない。1日1日達成感があるのはすごくいい」
指導者のペタスさんによると、時間内で目標を達成していくのがビジネスマンに人気の理由だという。「毎回自分の限界を超える運動をするので、精神的に鍛えられる。エリートサラリーマンが世界中でクロスフィットに挑戦するのは、そういうところだと思います」。
「鬼トレ」人気を受け、スポーツメーカー各社も戦略を変えている。トレーニング情報誌「ターザン」編集長の大田原透氏は、短時間で結果を出し身体の機能が高まるトレーニング方法が今世界中で流行しているとした上で、「各スポーツブランドのキャンペーンも、ハードな運動をモチーフにしている。トレンドになっていることは確か」と指摘する。
なぜビジネスマンたちが運動するのか理解できなかったが、運動で疲れが取れるのであれば納得だ。ただし疲労感は軽い運動でも回復するそうなので、くれぐれも無茶をしないようにしたい。(ライター:okei)
あわせてよみたい:「運動部未経験の男は使い物にならない」で議論勃発