オリラジあっちゃん、パナマ文書問題に憤慨! 「ルール上はいいけど倫理上は絶対良くない問題こそ、一番の悪事」 | キャリコネニュース
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オリラジあっちゃん、パナマ文書問題に憤慨! 「ルール上はいいけど倫理上は絶対良くない問題こそ、一番の悪事」

世界の要人や大企業が名を連ね、問題になっている「パナマ文書」。タックスヘイブン(租税回避地)で支払いを逃れた税金は総額50兆円。日本だけでも約5兆円といわれている。5月11日放送の「ビビット」(TBS)でもこの問題が採り上げられ、番組コメンテーターの中田敦彦さん(オリエンタルラジオ)は、こう厳しく批判した。

「ルール上はいいけれど倫理上は絶対良くないっていう問題こそ、一番大きな悪事だと思う。ルールを作っている人が、自分たちに良いようにルールを作っちゃってるのが明らか。もっと声を上げなきゃいけない問題だと思います」

「源泉徴収でバッチリ持って行かれる」庶民は怒り心頭

富裕層と弱小国の利益が一致

富裕層と弱小国の利益が一致

タックスヘイブンとは、法人税などが免除される(または安くなる)パナマやケイマン諸島などのこと。そこにペーパーカンパニーを作り、利益を移せば、自国の税を安くできるしくみだ。

背景には、できるだけ租税回避をしたい富裕層と、自国の産業を持たずに世界の資産を集めたい弱小国の利益の一致がある。世界にそのような場所があれば、お金が集まるのは当然だ。

しかし例えば日本企業がこれをやれば、日本に入るはずだった税収が大幅に減ることは事実である。タックスヘイブンに詳しい横浜市立大学の上村雄彦教授は、番組でいくつかの問題点を指摘した。そのひとつが、一般庶民との不公正さだ。

「一般庶民は源泉徴収で、お金をバッチリ持って行かれるわけですよね。そうすると全部、富裕層とか大企業が払わない税金のしわ寄せが、庶民にくる」

日本はケイマン諸島に投資残高として63~65兆円あると言われており、仮に消費税と同じ8%をかけたとすると、額にすると5.2兆円くらいの税収になる。

「それって消費税の2%ぐらいの額なんです。払うべき人がちゃんと払うことによって、消費税の引き上げが要らなくなる可能性がある」

租税回避がなければ「消費税増税」は不要?

さらに上村教授は、租税回避がなかった場合の税金の使い道について試算した。

「2%の消費税増税なし」(約4兆円)
「保育士の給料問題が解消」(約3000億円)
「新国立競技場が当初の予算で造れる」(約2520億円)

前日10日にも、「とくダネ!」(フジテレビ)で政治経済研究所の合田寛理事が「いわば意図的な悪質な税逃れ。違法ではないと彼らは言うんですが、悪質な税逃れは違法」と租税回避を激しく批判した。

実際、アイスランドの首相は国民の猛抗議を受け、辞任に追い込まれてしまった。しかし、オリラジあっちゃんが言うような「ルール上はいいけど倫理上は絶対良くない」というあいまいな理由で追い込まれる社会は、感情論や精神論が横行するようで息苦しくないだろうか。

そもそも、倫理的に問題とする見方も一面的ではないか。タックスヘイブンの利用自体は完全な合法で、二重課税を防いだり、租税回避そのものをしていないケースがあり、海外で事業展開している商社やメーカーが収益を管理する上でやっている「一般的なこと」という見方もある。楽天の三木谷社長やソフトバンクの孫正義会長も「ビジネス目的であり、租税回避が目的ではない」としている。

ねたみやひがみではない、日本社会にとってよいしくみを

経済がこれだけグローバル化し、海外事業が収益に占める割合が高まる中で、日本に縁のある会社のすべてのお金を日本に置いておく合理性は薄い。一般庶民との公平性を気にするばかりに、日本企業の国際競争力が削がれては元も子もない。

そもそも日本の法人税率は他国に比べて高めで事業がしにくく、そこに根本原因があるという指摘もある。内需が縮小する中で、日本国民は海外での稼ぎが頼りだ。ねたみやひがみで足を引っ張るのではなく、トータルで日本社会にとってよいしくみを作り上げて欲しいものだ。(ライター:okei)

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