「うちの会社はビジョンがない!」と経営者を罵る人たちへ それは絶対に必要なものなのか?

本当に多くの人が、職場でも酒場でも「うちの会社はビジョンがない! だからダメなんだ!」と罵っています。実際にこれまで何度も聞きました。経営書の古典にも「ビジョナリー・カンパニー」(邦訳は日経BP社刊)という本がありますが、「ビジョンがあること」は絶対的な善のように思われています。

ビジョンがあれば社員のやる気が出て、組織の一体感が強まるし、会社の業績が上がる……。まさに「ビジョンがあれば何でもできる」と言わんばかりです。私が昔所属したリクルートでも、結構多くの人が「うちはビジョンがない!」と不満を言っていたものです。

しかし、今そのことを思い出すと、複雑な気持ちになります。ご存知の通りリクルートは、上場も果たし、グローバル化も進み、事業は好調です。あの「ビジョンがない!」という罵りは何だったのでしょうか。本当にビジョンはなかったのでしょうか。そもそもビジョンとは会社にとって、そんなに絶対に必要なものなのでしょうか。(文:曽和利光)

人は自由になると不安になり、攻撃的になるもの