ベビーカー利用者56.8%が嫌な思い 「邪魔者扱い」「蹴られた」公共機関での悲しい仕打ち
ベビーシッターマッチングサービスを運営するキッズラインは1月、「ベビーカーの利用に関するアンケート」の結果を発表した。新春早々、都内の寺院で「ご利用自粛のお願い」が出されて物議を醸したが、実際ベビーカー利用者はどのような対応を受けているのだろうか。
調査は1月14日~16日、子育て中の女性を対象にインターネットで実施。340人から回答を得た。
「エレベーターに乗せてもらえない」「バスの運転手さんが迷惑そうな言動を」
ベビーカー利用時に「嫌な思いをした」と回答した人は56.8%と半数以上。嫌な思いをした場所の1位は「電車内」59.3%、次いで「駅構内」50%、「エレベーター」46.4%と続き、ほとんどが公共交通機関内ということが分かった。
利用者が主にどのようなことで嫌な思いをしたかというと、「エレベーターでベビーカーは乗せてもらえず邪魔者扱いされた」(21%)、「舌打ちされた」(18%)などが挙げられている。
他にも「ベビーカーを蹴られた」というエピソードや「バスの運転手さんに迷惑そうな言動をされることがよくある」という悲しい経験をした人もおり、ベビーカーを利用するママの肩身の狭さが垣間見える結果となった。
「子連れママを温かく受け入れる空気が求められている」
ベビーカー利用者のママたちは、この事態をどのように思っているのだろう。一番多い回答は「事情を理解し、優しく接してほしい」で、61.6%にも上る。次点は「不快に思う」で9.3%だった。
利用者に対して、一般の中には「混雑時には子連れで外出すべきでない」という厳しい見方をする人もいる。しかし、今回の調査で、実際は腰痛などの持病で抱っこ紐を利用できないなど、止むに止まれずベビーカーを利用している人もいたという。
一方で、「反対する人の気持ちも理解できる」(4.2%)という声もごく一部ではあるが出ていた。
また、「子供を預けて出かけたい場面」の回答では、1位が「仕事」71.3%、2位「病院」58.9%などという必要に迫られた場面が続き、以降「自分のリフレッシュ時間」55.2%、「美容院」51.8%となっている。
最近では企業内託児所の設置なども進んでいるが、通勤ラッシュ時に小さな子供を連れての移動は危険を伴う。親子だけでなく、周囲にとっても負担になりかねない。
キッズラインは「今後日本にも、海外のようにどこにいっても子供や子供連れママを温かく受け入れてくれる空気や風潮が広がることが今求められるのではないでしょうか」としている。